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黒月樹人のタバスコキメラミーム13「アインシュタインの場の方程式」
Tabasco Chimera Meam 13 of K.K. as “Einstein field equations”
黒月樹人
(KINOHITO KULOTSUKI, treeman9621.com

黒月樹人のタバスコキメラミーム13「アインシュタインの場の方程式」

1. 考察の対象

アンシユタインの場の方程式について考察する。ほとんど一般相対性理論の内容となる。特に、特殊相対性理論(SR)と一般相対性理論(GR)の関係について着目してゆく。これらは独立して存在するのではなく、ニュートン力学(NM)の基礎の上に立っている。それと、もうひとつ、マクスウェルの電磁方程式(ME)の理論にも関係している。

考察の柱として、トールステン・フリースバッハの「一般相対性理論」を参照する。この本で用いられた記法に従い、この本で記述された方程式などの関係式を用いる。考察のための準備として、ここでは、これらの関係式を概観して整理する。

 

2. ニュートンの重力理論

ニュートンの重力理論

   mi d2r I dt2=-GΣN j =1, j≠i { mi mj (rir j)|rr j|3}

(2.1)

重力定数

   G=(6.673±0.010) ×1011 m3kgs2  

(2.2)

重力ポテンシャル

   ▽Φ(r)=-GΣj { mj|rr j|}

      =-G ∫d3r’{ρ(r’)/| rr j |}  

 

(2.3)

ニュートン理論における運動方程式

md2rdt2=-m▽Φ(r) 

(2.4)

ニュートン理論における場の方程式

△Φ(r)4πGρ(r)      

(2.5)

 ベクトル演算の記号が二つ現れている。▽と△である。実は、このような記号ではなく、二辺だけが太くなっているものが正式な記号であるが、ワープロソフトの関係で、これらの記号を用いることにした。

 ハミルトンの演算子(ナブラ、デル、grad)

▽=i∂/∂xj∂/∂yk∂/∂z  

(2.6)

 これは、3次元空間での各成分ベクトルの和ということになり、対象となる曲線や流れの向きをベクトル表示したときの、接線ベクトルということになるだろう。ベクトルの勾配(grad)とも呼ばれる。

 ラプラスの演算子(ラプラシアン、div grad)

   = ∂2/∂x22/∂y22/∂z2  

(2.7)

 これは、記号の成り立ちと読みからは、ベクトルの勾配(grad)の発散(div)ということになる。

 

 3. 三つの空間

 ニュートン力学の重力理論からアインシュタインの一般相対性理論へと移るときに、この自然界を眺めるための、三つの空間について知っておく必要がある。

 「ユークリッド(Euclid)空間」と「ミンコフスキー(Minkowski)空間」と「リーマン(Riemann)空間」である。これらには、それぞれを規定する「計量」と呼ばれる値がある。

空間

計量(座標系)

 

 

ユークリッド空間

ds2dx2dy2dz2

 

(3.1)

ミンコフスキー空間

ds2c2dt2dx2dy2dz2
  =ηαβdξαdξβ

 

(3.2)

リーマン空間

ds2gμν(x)dxμdxν

 

(3.3)

 これらの空間においては、それぞれの中で成立する変換や、空間どうしの座標変換というものがある。まずは、それぞれの中で成立変換として「ガリレイ変換」と「ローレンツ変換」の内容を記しておこう。

 ガリレイ変換 (x座標のみの形式)

   x’ xvt ,  t’t

(3.4)

変換前の座標系(IS)(x, y, z, t)と変換後の座標系(IS’)(x’, y’, z’, t’)の相対速度をvとする。

 ローレンツ変換 (x座標のみの形式)

   x’γ(xvt) ,  ct’γ(ct-xv/c),  γ(1v2/c2)1/2

(3.5)

 変換前の座標系(IS)(x, y, z, ct)と変換後の座標系(IS’)(x’, y’, z’, ct’)の相対速度をvとする。このときのγ収縮因子と呼ばれる。

 ミンコフスキー空間の行列ηαβ

(ηαβ)diag (+1, -1, -1, -1) 

(3.6)

 この記号についての名称は何だろう。

 ローレンツ変換の変換行列Λαβ

  Λ=(Λαβ)(  Λ00 Λ01   0   0

Λ10  Λ11  0   0

0    0    1   0

0    0    0   1   ),

    Λ00=Λ11=γ=(1v2/c2)1/2,  Λ01=Λ10=γ(v/c)

 

 

 

(3.7)

(3.8)

 ミンコフスキー空間とリーマン空間の座標変換のgμν

gμν(x) =ηαβ(∂ξα∂ dxμ) (∂ξβ∂ dxν)

(3.9)

 ミンコフスキー空間の座標(ξα)とリーマン空間(xμ)の関係は、これによって決められる。ここから、リーマン空間がミンコフスキー空間から構成されていることが分かる。

 

  4. ミンコフスキー空間のベクトル (4)

 4元ベクトル(ローレンツ・ベクトル)

   u’α=Λαβuβ

(4.1)

 ローレンツへ変換の変換行列によって、このように変換される量のことを言う。この言葉に関連して、ローレンツ・スカラーという量がある。これは、ニュートン力学における量、たとえば質量mなら、これに収縮因子γを掛けたもののようだ。テキストでは、このような区別が明確になされておらず、同じ記号のmと書いて、mはローレンツ・スカラーであると書き下したり、γmと表したりしている。

 4元ベクトルの例としては、「4元速度」「4元運動量」が書かれている。これに関連して、「4元加速度」や「4元力」も定義できる。

4元速度

   uαdxα/dτ

(4.2)

4元運動量

   pαmuα

(4.3)

  4元加速度

   duα/ dτd2xα/dτ2

(4.4)

  4元力

Fαm duα/ dτm d2xα/dτ2

(4.5)

このとき、4元運動量の成分は、次のように書かれている。

   (pα)=(γmc, γmvi)=(E/c, p)

 相対論的運動量

   p=γmv

(4.6)

 相対論的エネルギー

   E=γmc2

(4.7)

 エネルギー運動量関係式

   E2m2c4c2p2

(4.8)

 この関係は、ds2c22ηαβdxαdxβ から ηαβpαpβ=m2c2 が出て、ここから生まれると書かれている。

 

5. ミンコフスキー空間の反変ベクトルと共変ベクトル (5)

 テンソルはベクトルから定義される。このとき、ベクトルの違いとして、反変成分をもつ反変ベクトルと、共変成分をもつ共変ベクトルがある。

 反変ベクトル

   V’α=ΛαβVβ

(5.1)

 上に添え字をもつ成分を反変成分と呼び、この反変成分をもっているベクトルを反変ベクトルと呼ぶ。変換行列の種類は問わないが、変換前のベクトルと変換後のベクトルによって、添え字の形式は決まってくる。ここでのΛαβ(3.7)(3.8)での、ローレンツ変換での変換行列である。

 共変ベクトル

   Vα≡ηαβVβ

(5.2)

 下に添え字をもつ成分を共変成分と呼び、この共変成分をもっているベクトルを共変ベクトルと呼ぶ。変換行列の種類は問わないが、変換前のベクトルと変換後のベクトルによって、添え字の形式は決まってくる。ここでのηαβ(3.6)での、ミンコフスキー空間の計量に関する行列である。

 (Λαβ)(ηαβ)の逆行列を定義しよう。テキストでは、Λαβの逆行列成分をΛの上にバーを引いて記しているが、ワープロソフトの関係で、この手法が使いづらいので、Λαβの形式を採用したい。テキストには、アンダーバーのない形式も使われていると書いてあったが、認識しやすいので、アンダーバーを入れるが、大切なところは、添え字の上下関係にある。Λαβの添え字の上下は、Λαβの逆になっている。しかし、これも形式的なことである。本質的には、次の関係によって、逆行列が定義される。

 (Λαβ)( Λεβ)=δεα  { 1  (ε=α),  0  (εα) }   

(5.3)

 この定義と、(3.7)(3.8)の式を使えば、逆行列(Λαβ)の成分を決めることができる。ただし、テキストでは、その結果は書かれていない。この表記のまま、抽象的に議論されている。

 (ηαβ)の逆行列は、形式的に(ηαβ)と表すことができる。(ηαβ)の具体的な形が(3.6)で決められており、次の逆行列の定義式から(ηαβ)を求めると、(ηαβ)と同じであることが分かる。行列の成分が対角成分だけのときは、それぞれの成分の逆数を成分とする行列が逆行列になる。このようなときの計算は簡単である。

(ηαβ)(ηβε)=δαε  { 1  (ε=α),  0  (εα) }   

αβ)diag (+1, -1, -1, -1)(ηβε) 

(5.4)

(5.5)

 

6. ミンコフスキー空間のテンソル (5)

 テキストでは、r階のテンソルが定義されているが、一般の形に拡張するのは、数を増せばよいだけであるので、記述が簡単な2階のテンソルについて定義しよう。

 ミンコフスキー空間の2(反変)テンソル

   T’αβ=ΛαζΛβηTζη

(6.1)

Tζηが変換前のテンソルでT’αβは変換後のテンソルである。ローレンツ変換の行列成分を2度掛け、二つの添え字について、2回の変換を行うものである。このときの添え字の位置により、これは、さらに詳しく反変テンソルと呼ばれる。

 ミンコフスキー空間の2(共変)テンソル

   T’αβ=ΛαζΛβηTζη

(6.2)

この形式では、ローレンツ変換の逆行列成分を2回作用させている。テキストではミンコフスキー空間のベクトルについて説明されていたが、変換後のベクトルやテンソルを、変換前のものに戻すには、上記の変換行列成分の逆を左から掛ければよい。(6.2)で実行すれば、次のようになる。

ΛβηΛαζT’αβ=ΛβηΛαζΛαζΛβηTζη=ΛβηδαζΛβηTζη

=δαζΛβηΛβηTζη=δαζδβηTζηTαβ

   [] Tαβ=ΛβηΛαζT’αβ

テンソルでは、変換行列成分の種類を、共変と反変とで組み合わせて、次の混合テンソルを生み出すことができる。

 ミンコフスキー空間の2階混合テンソル

   T’αβ=ΛαζΛβηTζη

(6.3)

次の操作によって、新たにテンソルが生み出される。

    1. 同種のテンソルの線形結合(3Uαβ+Uαβ)

      2. テンソルの積(TαβVγ)

      3. テンソルの縮約(Tαββ, TαβVβ)

      4. テンソル場の微分(∂αTαβ)

(6.4)

(6.5)

(6.6)

(6.7)

ここで用いられている記号α∂/∂xαである。ちなみに、これと添え字の位置が入れ替わるα=∂/∂xαという記号もある。(5.14)で正式に記述する。

ミンコフスキー空間には、次の完全反対称テンソルもある。

レビ-チビタ(Levi-Cività)記号

   Єαβγδ{  +1  (αβγδ)(0,1,2,3)の偶置換

-1  (αβγδ)(0,1,2,3)の奇置換

0    それ以外

           }

 

 

 

(6.8)

 正式にはЄの文字ではないかもしれないが、この記号が一番近かったので、これで代用した。

 

7. ミンコフスキー空間のスカラー場とベクトル場とテンソル場 (5)

 ミンコフスキー空間の時空座表x(x0, x1, x2, x3)の関数は、偏微分の作用を受けるとき、「場」と呼ばれる。このような場に関する、さらに詳しい説明の前に、偏微分がベクトルとして作用することを見る。

   ∂/∂x’α=(∂xβ/∂x’α)(∂/∂xβ)Λαβ(∂/∂xβ), [<<]∂xβΛαβ∂x’α

 偏微分の簡略化記号

   α∂/∂xα (共変ベクトル), α∂/∂xα (反変ベクトル)

(7.1)

ミンコフスキー空間のスカラー場

   S’(x’)=S(x),  S(x)◇関数

(7.2)

ミンコフスキー空間のベクトル場

   V’α(x’)=ΛαβVβ(x),  Vα(x)◇関数

(7.3)

ミンコフスキー空間のテンソル場

   T’αβ(x’)=ΛαγΛβδTγδ(x),  Tαβ(x)◇関数

(7.4)

 これらの場において、引数は同時に変換されなければならない。

 ミンコフスキー空間の場における引数の変換

x’=(x’α)=(Λαβxβ)

(7.5)

 ダランベール演算子(ローレンツ・スカラー)

   □αα=ηαβαβ(1/c)(∂2/∂t2)-△ 

(7.6)

 

 8. 電気力学 (6)

 マクスウェルの場の方程式

divE4πρe,   rotB(4π/c)j+(1/c)(∂E/∂t)

rotE=-(1/c)( ∂B/∂t),     divB0

電場E(r,t), 磁場B(r,t), 電荷密度ρe(r,t) 電流密度j(r,t)

(8.1)

(8.2)

 (6.1) ---導出> 連続の式

divjtρe0

αjα0

     (jα)=(cρe, j I )

(8.3)

(8.4)

(8.5)

 反対称行列

   (Fαβ)( 0   Ex   Ey   Ez

        Ex     0    Bz    By

   Ey     Bz     0    Bx

Ez    By    Bx     0

              )

 

 

 

 

(8.6)

 非同次のマクスウェル方程式(8.1) <>

αFαβ(4π/c)jβ

(8.7)

  [>>]∂αFαβ<>4元ベクトル [>>] Fαβ<>電磁場テンソル

 同次マクスウェル方程式 (8.2) <>

   ЄαβγδβFγδ0

(8.8)

  (以下略)

 

 9. 相対論的流体力学 (7)

 オイラー方程式(完全流体に対する非相対論的な場の方程式)

   ρ(∂v/∂t(v・▽)v)=-▽Pf0

(9.1)

 連続の方程式(完全流体に対する非相対論的な場の方程式)

 ρ/∂t+▽・(ρv)0

(9.2)

 (9.1)はベクトル表示なので、3次元空間での成分の方程式として、3つの方程式となる。(9.2)はベクトルの内積を組み込んでいるが、これはスカラーとなるので、これは1つの方程式である。都合4つの方程式に対して、場の未知数は、vi (3成分), P, ρの5つあって、一つ条件式が足りない。これに加えて、Pとρの関係を示す状態方程式が必要となる。たとえば、非圧縮性流体に対しては、ρ=const. となる。(テキストの説明より。後半の説明は略す。)

 流体力学の基礎方程式(9.1)(9.2)の相対論的一般化を行う。どうやら、ここのあたりで、特殊相対性理論のベースであるミンコフスキー空間での物理量へと、変換されているようだ。

速度v i (r, t) ---変換> ローレンツ・ベクトル場 uα(x)

行列 Mαβ=ρuαuβ 

  質量密度 ρ(x) ---変換> 質量密度ρ=⊿m/V. (ローレンツ・スカラー)

 (m <> 静止質量, V <> 固有体積)

  []  Mαβ <> ローレンツ・テンソル

  [ + ]  (uα)=γ(c, v i ) ,  γ-21v2/c2   [] 

   Mαβ=ργ2c2 (  1   v1/c   v2/c   v3/c   

                   v1/c                     

                   v2/c         v i v j / c2      

                   v3/c                    

                  )

 

 

 

 

(9.3)

  エネルギー質量密度

   ρM00/c2=γ2ρ=ρ/(1v2/c2)

(9.4)

 連続の式(相対論的一般化)

βM0βc [∂tρk(ρ vk ) ] 0

(9.5)

 力が掛かっていないオイラー方程式(相対論的一般化)

   βM iβt (ρv i )k(ρ v i v k)

ρ (∂t v i v kk v i)v i [∂tρk(ρv k) ] 0

 

(9.6)

 流体の4元運動量密度に対する微分形の保存則

   βMαβ 0  

(9.7)

 圧力について考察する。

 「圧力掛ける面積は力に等しい」の一般的な定式化

   dF i = Σ3j=1Pij dAj

(9.8)

 ある流体を考え、慣性系IS’(流体要素---瞬間的に静止> ) で、次の等方な圧力を仮定する。

 等方な圧力(瞬間的にいっしょに走っている系IS’)

   (P’ij)=diag(P, P, P)

(9.9)

 等方な圧力(9.9)を相対論的に一般化されたものは4元テンソルPαβでなければならない。局所的、かつ瞬間的な静止系IS’では、(9.1)(9.2)とが成り立つ。こうして(9.5)は変わらないが、(9.6)には追加の項∂’iP=∂’jP’ijがなければならない。そのためには(9.7)の左辺に次の4元ベクトルが加わらなければならない。

(∂’βP’αβ)=(0, ∂’iP’)

(9.10)

 等方な圧力(9.9)4元テンソル(相対論的一般化)

 (瞬間的にいっしょに走っている系IS’)

   (P’αβ)= diag (0, P, P, P)

(9.11)

 ここでPは「考えている体積要素が静止している慣性系IS’で測られた圧力」である。

 これに対して、点xの体積要素がuα(x)で動いているような慣性系ISでは、圧力テンソルPαβは-vをもつローレンツ変換で与えられる。すなわち、Pαβ=ΛαγΛβδP’γδとなる。この結果は、次の(9.12)となる(演習7.1)

 圧力テンソルPαβ(xの体積要素がuα(x)で動いているような慣性系IS)

   PαβP (uαuβc2-ηαβ)

(9.12)

 これはローレンツ・テンソルである。(uα)=(c,0)なので、IS’では(9.11)に帰する。

 これらの考察によって生まれる、次の共変な方程式は、非相対論の極限で(9.2)と、f0=0とおいた(9.1)になる。

   βMαββPαβ 0 

(9.13)

 これを次のように書く。

   βTαβ 0 

(9.14)

 これらの偏微分前の式を次に書き下す。

 エネルギー運動量テンソルTαβ

   βTαββMαββPαβ(ρ+P/c2)uαuβ- ηαβP

(9.15)

 外力f0がある場合は、対応しているミンコフスキー応力密度fαを加えなければならない。

 流体力学の相対論的基礎方程式

βTαβ fα 

(9.16)

 

10. エネルギー運動量保存 (8)

 孤立系でのエネルギーと運動量の連続の式

   βTαβ 0 

(10.1) [] (9.14)

 この孤立系が空間的な境界を持っているとする。この系が完全に内包される体積Vがある。(10.1)をこのVにわたって積分する。このとき

βTαβ0Tα0iTαi []

(∂/∂(ct))∫V d3rTα0

=-V d3r∂iTαi

=-S(V) dSiTαi0  

(10.2)

 

 

(10.3)

 孤立系でのエネルギー運動量の保存

   Pα=(1/c) ∫V d3rTα0const.

(10.4)

 ここから、

 Pα<>[運動量] <> ローレンツ・ベクトル <> 4元運動量((<記述---Tαβ)) <> 保存量

 [>>] cP0 <> 場のエネルギー, Pi <> 場の運動量  [>>]

    T00 <> エネルギー密度, T0i/c <> 運動量密度

(10.5)

 

11. 一般的なエネルギー運動量テンソル (8)

  @電磁力が働いている帯電した流体, 電磁場---与える> 応力密度fα

βTαβ fα=-βTαβem

β(TαββTαβem )0

(11.1)

(11.2)

  一般化されたエネルギー運動量テンソル

   TαβMαβPαβTαβem+・・・

(11.3)

この一般化されたエネルギー運動量テンソルに対して、次式が成立する。

   βTαβ0,  TαβTβα

(11.4)

 

12. 一般的なエネルギー運動量テンソルの非相対論的極限 (8 応用)

 速度vが非相対論的であるとき、物質の静止エネルギーは運動エネルギーの寄与に比べてはるかに大きい。このとき、次式が成り立つ。

   T00 ρc2, 

T0i/ T00 ≈ v i /c <<1,

Tij/ T00 ≈ O((v i /c)2, P/ρc2 ) <<1

(12.1)

(12.2)

(12.3)

 非相対論的極限の多くの応用での近似

   (Tαβ) ≈ diag (ρc2, 0, 0, 0)

(12.4)

 

13. 特殊相対論における加速された基準系 (9)

 慣性系IS(xα)と回転系KS’(x’ν)の変換

xx’cos(ωt’)y’sin(ωt’)

yx’sin(ωt’)y’cos(ωt’)

zz’

tt’

領域 ω2(x’2+y’2) << c2

 

 

 

(13.1)

 慣性系の線素ds(13.1)を代入する。

 非慣性系での線素

   ds2=ηαβdxαdxβc2dt2dx2dy2dz2 

       [c2-ω2(x’2+y’2)]dt’22ωy’dx’dt’2ωx’dy’dt’

           dx’2dy’2dz’2

        gμν(x’)dx’ μdx’ ν

 

 

 

(13.2)

 慣性系IS(xα)と回転系KS’(x’ν)の一般的な座標変換

   xα xα(x’) xα(x’0, x’1, x’2, x’3 )

(13.3)

 回転系の線素

   ds2=ηαβdxαdxβ

=ηαβ(∂xα/∂x’ μ)(∂xβ/∂x’ ν)dx’ μdx’ ν

gμν(x’)dx’ μdx’ ν

 

 

(13.4)

 座標系KS’の計量テンソル

   gμν(x’) =ηαβ(∂xα/∂x’ μ)(∂xβ/∂x’ ν)

   gμνgνμ,  座標x’(x’0, x’1, x’2, x’3 )の関数

(13.5)

加速度系では慣性力が発生する。回転基準系では遠心力Zが発生する。これは遠心力ポテンシャルΦを使って、次のように書ける。

回転基準系での遠心力ポテンシャルΦと遠心力Z

   Φ=-(ω2/2)(x’2+y’2)

      Z=-m▽Φ

(13.6)

(13.7)

(13.2)(13.6)を見比べて、次式を得る。

計量テンソルの中の遠心力ポテンシャル

   g0012Φ/c2

(13.8)

座標系KS’に静止している時間の読みτと座標系IS’の時間座標t’の関係

   dsclockc dτ

      dτ=dsclock/c

(g00)1/2dt’(12Φ/c2)1/2dt’=(1v2/c2)1/2dt

(13.9)

 

(13.10)

加速度系KS’の特徴

1. 線素 ds2gμν(x’)dx’ μdx’ ν

2. KS’の加速度運動はgμνを部分的に定める。

3. KS’の計量テンソルは、前もって与えられている

加速度によっては完全には決められない。

4. 座標の意味は ds2gμνdx’ μdx’ νから分かる。

     座標点xμにある時計の表示時刻の間隔は

dτ=dsc/cに等しい。

5. 回転系ではg0012Φ/c2が成り立つ。

ここでΦは遠心力ポテンシャルである。

 

 

14. 等価原理 (10)

「等価原理」の要点

(1). 重力質量<equal>慣性質量

(2). 重力<等価>慣性力

(3). @局所慣性系(人工衛星内の実験室),

特殊相対性理論の法則(●重力)

 

 

 

(14.1)

(1). 重力質量mgと慣性質量mi

mid2rdt2=-mg▽Φ(r) 

(14.2) [<<] (2.4)

 一様な重力場の中での垂直運動の方程式

   mid2z/dt2=-mgg

(14.3)

 (14.3)の積分解

   z(t)=-(1/2)(mg/mi)gt2

(14.4)

(2). 重力質量mg<equal>慣性質量miが等しい [>>] 重力<等価>慣性力

ュートンの運動方程式

   mi(d2r/dt2)mgg,  g <> 重力加速度

加速された座標系KS(自由落下)への変換

   rr’+(1/2)gt’2,  t=t’

変換(14.6)(14.5)に使う。

   mi(d2r’/dt’2)(mgmi)g0

 

(14.5)

 

(14.6)

 

(14.7)

 (14.7)[<>] mgmiのとき、自由粒子に対する運動方程式

 [>>] 慣性力((14.7)の左辺)<等価>重力((14.7)の右辺)

(3). アインシュタインの等価原理

@局所慣性系(人工衛星内の実験室), 特殊相対性理論の法則(●重力)

すべての事象はあたかも重力が存在しないように進行する,

@自由落下の基準系KS;

[>>] 力学の過程 

---拡張> すべての物理的な過程

(すべての時間、すべての場所での過程) 

---拡張> 不均一な重力場;         

 

局所慣性系

あたかも慣性系の中であるかのように事象が進行する系

[<>]人工衛星の実験室。 ただし、これは加速されている。

[>>] 局所慣性系は慣性系ではない。

 

等価原理

局所慣性系では特殊相対論の法則が成り立つ。

 

 

15. リーマン空間 (10)

局所慣性系の計量<>ミンコフスキー空間の計量

   ds2=ηαβdξαdξβ

(15.1)

局所慣性系からxμの座標系への座標変換

   ξα=ξα(x0, x1, x2, x3)

(15.2)

リーマン空間の計量

   ds2gμνdxμdxν

(15.3)

リーマン空間の計量テンソル

   gμν(x) =ηαβ(ξα/xμ)(ξβ/xν)

(15.4)

 

16. 重力場における運動方程式 (11)

局所慣性系での、力が働いていない質点の運動

d2ξα/dτ20

ξα=ξα(τ) <> 質点のミンコフスキー座標

固有時τ [<<]  ds2c2dτ=ηαβdξαdξβ

(16.1)の積分 [] 直線ξαaατ+bα

(16.1)

(16.2)

(16.3)

(16.4)

局所慣性系での、光子の運動

光の軌道 <記述--- (16.1), (16.4)

光の波面, dsc dτ=0 [] パラメータτ<>●固有時

[>>] λ<>軌道パラメータ,  d2ξα/dλ20

 

 

(16.5)

変換ξα=ξα(τ) ---代入> (16.1)

   0(d/dτ)(∂ξα/∂xμ)( dxμ/ dτ)

     =(∂ξα/∂xμ)( d2xμ/ dτ2)

(∂2ξα∂xμxν)( dxμ/ dτ) ( dxν/ dτ)

 

 

(16.6)

 (16.6)×(∂xκ/∂ξα), (∂xκ/∂ξα) (∂ξα/∂xμ)=δκμ

0(∂xκ/∂ξα) (∂ξα/∂xμ)( d2xμ/ dτ2)

(∂xκ/∂ξα) (∂2ξα∂xμxν)( dxμ/ dτ) ( dxν/ dτ)

[-->] 0d2xκ/ dτ2

(∂xκ/∂ξα) (∂2ξα∂xμxν)( dxμ/ dτ) ( dxν/ dτ)

 

 

 

(16.7)

クリストッフェル記号の定義

   Γκμν=-(∂xκ/∂ξα) (∂2ξα∂xμ∂xν)

(16.8)

重力場における運動方程式

   d2xκ/ dτ2=-Γκμν( dxμ/ dτ) ( dxν/ dτ)

(16.9)

速度dxμ/ dτの付加条件

   c2gμν(dxμ/dτ)(dxν/dτ)    (m0)

(16.10)

光子の運動方程式と付加条件

   d2xκ/ dλ2=-Γκμν( dxμ/ dλ) ( dxν/ dλ)

   0gμν(dxμ/dλ)(dxν/dλ)    (m0, dτ=0)

(16.11)

(16.12)

 

  17. クリストッフェル記号 (11)

(gμν)の逆行列(gμν)

   gκνgμσ=δκσ

(17.1)

 gμν(x) でΓκμνを表現する

   Γκλμ(gκν/2)(∂gμν/∂xλ∂gλν/∂xμ∂gμλ/∂xν)

(17.2)

 球座標で張ったR3のクリストッフェル記号

座標 (x1, x2, x3)(r,θ,φ)

線素 <> ds2dr2r2(dθ2sin2θdφ2)

Γ122=-r,   Γ133=-r sin2θ,  

Γ212=Γ2211/r,   Γ233=- sinθcosθ

Γ313=Γ3311/r,   Γ323=Γ332cotθ,

 

 

 

 

(17.3)

円柱座標で張ったR3のクリストッフェル記号

座標 (x1, x2, x3)(ρ,ψ,z)

線素 <> ds2dρ2+ρ2dψ2dz2

Γ122=-ρ,   Γ221=Γ2121/ρ

 

 

(17.4)

球面のクリストッフェル記号

座標 (x1, x2)(θ,φ)

線素 <> ds2a2(dθ2sin2θdφ2)

Γ122=- sinθcosθ,   Γ221=Γ212cotθ

 

 

(17.5)

 

18. 重力場におけるニュートン極限 (11)

 ニュートン理論での、重力場中の粒子の運動方程式

   md2r/dt=-m▽Φ(r)

      d2x i/dt2=-Φ/∂x i

(18.1)

(18.2)

ニュートン極限

ニュートン極限 <> ①速度が遅く②静的で③弱い場の極限

 

 ③弱い場

gμν=ημνhμν <> 計量テンソルの分解

|hμν|=| gμν-ημν| << 1

(18.3)

(18.4)

 ①遅い速度

   V i << c   [or]  dx i/dτ << dx0/dτ 

   d2xκ/ dτ2=-Γκμν( dxμ/ dτ) ( dxν/ dτ)

          -Γκ00( dx0/ dτ)2

(18.5)

 

(18.6)

 ②静的な場

   (Γκ00)(gκi/2)(∂g00/∂x i)

(-ηκi/2)(∂h00/∂x i)

[ 0, (1/2)(∂h00/∂x i) ]

 

 

(18.7)

 ここでは、小さな量であるの最低次の量のみを取り上げた。

 (18.7)Γκ00(18.6)に代入する。

   d2t/ dτ20

     d2xκ/ dτ2(c2/2)(∂h00/∂x i) ( dt/ dτ)2

(18.8) [>>] dt/ dτ=const.

(18.9) [>>] d2xκ/ dτ2(c2/2)(∂h00/∂x i)

(18.8)

(18.9)

(18.10)

(18.11)

 [if] h002Φ/c2 [] (18.11) <> (18.2) d2x i/dt2=-Φ/∂x i

   g00(r)12Φ(r)/c2          (|Φ(r)|/c2 << 1)

(18.12)

 

 19. 測地線 (13)

リーマン空間の測地線(重力場における運動方程式(16.9))

d2xκ/ dτ2=-Γκμν( dxμ/ dτ) ( dxν/ dτ)

(19.1)

 測地線に対する条件

ABdsAB(|gμν| dxμdxν)1/2 <>極小

(19.2)

 

 20. リーマン空間のテンソル (14)

 N次元リーマン空間の線素

ds2=ΣNi,k1 gik (x1,…, xN) dx I dx k gik (x) dx I dx k

(20.1)

 N次元リーマン空間の座標変換

x’i=x’i(x1,…, xN) <>ある一般座標変換

xi=xi(x’1,…, x’N) <>その逆変換

(20.2)

(20.3)

 N次元リーマン空間の座標変換行列αとα

    αik(x)= ∂x’i/∂xk

αik(x’)= ∂xi/∂x’k

(20.4)

(20.5)

 計量空間の観点

1. 計量空間の線素

ds2=δikdxidxkdx2+dy2+dz2  (ユークリッド)

ds2ηαβdxαdxβc2dt2dx2dy2dz2  (ミンコフスキー)

ds2gik(x)dxidxk, <>ds2a2(dθ2sin2θdφ2) (リーマン)

2. 線素を不変とする変換

   直交変換(ユークリッド)

   ローレンツ変換(ミンコフスキー)

   一般座標変換(リーマン)

3. 座標微分の変換

dxα=Λαβdxβ (ローレンツ変換)

dxi=αik(x)dxk (一般座標変換)

4. テンソルの添え字

5. 変換行列の座標依存性

 

(20.6)

(20.7)

(20.8)

 

 

 

 

 

(20.9)

(20.10)

 

 

  21. 共変導関数 (15)

 リーマン空間

偏微分関数(テンソル場)<一般には●>テンソル場

共変導関数(テンソル場)<>テンソル場

 

クリストッフェル記号<>テンソル

ΓikpαimαkrαpsΓmrsαim(αkm/x'p)

(21.1)

リーマン空間での共変導関数(テンソル場)

ΓikpA’p∂A’i/∂x’k=αimαkr(ΓmrmAn∂Am/∂xr)

(21.2)

 偏微分の略記号

   Ap| k ∂Ai/∂xk

(21.3)

 共変導関数の記号

   Ai|| k Ai| k+ΓikpAp

(21.4)

 (21.2) <>

   A’i|| k=αimαkr Am|| r

(21.5)

 共変導関数のチェーン則

   Tik|| p (AiBk)|| pAi|| pBkAiBk|| p

(21.6)

  (21.4) ---input> (21.6)

   Tik|| p Ai| pBkAiBk|p+ΓipmAmBk+ΓkpmAiBm

     =Tik| p+ΓipmTmk+ΓkpmTim

(21.7)

(21.8)

 Tik|| pTik|| pの公式

Tik|| p Tik| p-ΓmipTmk-ΓmkpTim 

Tik|| p Tik| p+ΓipmTmk-ΓmkpTim

(21.9)

(21.10)

 共変導関数の性質

1. リーマン空間で共変導関数は対応する階数のテンソルになる。

2. ミンコフスキー空間または局所慣性系では、共変導関数は

gik=ηik(またはΓikp0)のため単なる偏微分関数になる。

3. 共変導関数に対しては通常の計算法が成り立つ。

チェーン則も成り立つ。

 

計量テンソルの共変導関数

   g ik || p∂gik/∂xp-Γmipgmk-Γmkpgim0

(21.11)

微分dAiAi|pdxpの共変的一般化

   DAiAi|| pdxp           (共変微分)

(21.12)

 

  22. 曲率テンソル (18)

 

   Ai||k||pAi||p||k=-RmikpAm

(22.1)

 左辺はテンソルであり、Amはベクトルであるので、これからテンソルRmikpが定義される。ところで、

   曲がっていない空間に対して Rmikp0

(22.2)

であるので、このテンソルは曲率テンソルと呼ばれる。

 曲率テンソル

RmikpΓmik/∂xpΓmip/∂xk+ΓrikΓmrp-ΓripΓmrk

(22.3)

 リッチ・テンソル

    RipRmimp gkm Rkimp

(22.4)

 スカラー曲率

    RR i i gik Rik

(22.5)

曲率テンソルの詳細

Rmikp(1/2)(∂2gmk/∂xi∂xp2gip/∂xm∂xk

2gik/∂xm∂xp2gmp/∂xi∂xk)

grs(ΓrkmΓsip-ΓrpmΓsik)

 

 

(22.6)

曲率テンソルの対称性

RmikpRkpmi

Rmikp=-Rimkp=-RmipkRimpk

RmikpRmpikRmkpi=0

(22.7)

(22.8)

(22.9)

 

  23. 共変原理 (19)

 ビアンキ(Bianchi)の恒等式

Riklm||n Rikmn||l Riknl||m 0

(23.1)

 物理法則を作り上げるための一般原理

1. 法則は決まった変換(*a)に対して共変である。

*a <> 直交変換、ローレンツ変換、一般座標変換

この要請は、物理的な対称性の前提(*b) に基づいている。

*b <> 空間の等方性、相対性原理、等価原理

2. 方程式は、よく知られた極限(*c)で正確であり、その極限は対応した変換を通して一般的な場合に結びつけられる。

 *c <> 定まった方向をもつ基準系、瞬間的な静止系、局所慣性系

 

 

  24. 重力を入れた法則 (20)

 重力を含めた運動方程式

   m(duμ/dτ)=-FμmΓμνλuνuλ

(24.1)

 右辺第2項が重力項である。

 速度に関する付加条件

   gμνuμuνuμuμc2

(24.2)

 エネルギー運動量テンソル

   Tμν(ρ+P/c2) uμuνgμνP

(24.3)

 

  25. アインシュタインの場の方程式の条件 (21)

ニュートン理論における場の方程式

△Φ(r)4πGρ(r)      

(25.1) [] (2.5)

 このニュートン極限は、太陽系ではよく成り立っている。よって、設定した理論から、その極限として、これが出てこなければならない。

計量テンソルの中の遠心力ポテンシャル

   g00 ≈ 12Φ/c2

(25.2) [] (13.8)

 これは、運動方程式の非相対論的極限として求められている。

非相対論的極限での、エネルギー運動量テンソル 

   T00 ρc2, 

T0i/ T00 ≈ v i /c <<1,

Tij/ T00 ≈ O((v i /c)2, P/ρc2 ) <<1

(25.3) [] (12.1)

(25.4) [] (12.2)

(25.5) [] (12.3)

ニュートン理論における場の方程式

△Φ(r)4πGρ(r)      

(25.6) [] (2.5)

 「③弱い場」においてμ=0,ν=0 を代入

g00=η00h00 <> 計量テンソルの分解

|h00|=| g00-η00| << 1

(25.7) [] (18.3)

(25.8) [] (18.4)

ミンコフスキー空間の行列ηαβ

(ηαβ)diag (+1, -1, -1, -1) 

(25.9) [] (3.6)

 これによって、(25.8)から次式が得られる。

| g00-1| << 1

(25.10)

 このとき、次式が成立する。

   T00  ≈ T00

(25.11)

これらを利用して、(25.2)を変形してゆく。

g00 ≈ 2△Φ/c2

8πGρ(r) /c2

≈ (8πG/c4) T00

≈ (8πG/c4) T00

 

 

 

(25.12)

 テキストでは、この式から近似式の記号「」が、等号「=」に置き換えられている。

(25.12)の相対論的一般化

   gαβ (8πG/c4) Tαβ  (暫定的)

(25.13)

 この(25.13)には重力場のエネルギーの寄与が含まれていない。

 そこで、これを仮にtgravαβとおいて、次式を構成する。

    gαβ (8πG/c4)( Tαβtgravαβ)  (暫定的)

(25.14)

 (25.14)の困難点

1. tgravαβの具体的な内容が分からない。 右辺のエネルギー運動量テンソルは、設定されるべき場の理論から導出されるべきものであるが、そのような形式とはならない。

2. 計量テンソルの共変導関数 (21.11) g ik || p∂gik/∂xp-Γmipgmk-Γmkpgim0 より、g μν || λ0 なので、□gαβ=ηγδgαβ|γ|δの共変一般化は、行ったとしても意味のある結果はもたらされないであろう。

 

 

(25.15)

 

 

(25.16)

これらの二つの困難の回避法

a. (25.14)の左辺にtgravαβを持ち込む。

b. 今のところ未知のリーマン・テンソルGμνで、その共変的一般化を記述する。すなわち Gμν ≈ (8πG/c4) Tμν

c. 電気力学の類推で、tgravαβは偏微分導関数(∂gμν/∂xλ)2次形式であろうと考える。テンソルGμνは、そのような項を含んでいるべきであろう。

d. (25.14)の左辺 gαβ の共変的一般化として、gμν2階微分導関数に関して線形であるべきだろう。

(25.17)

 

(25.18)

 

 

(25.19)

 

(25.20)

 これらの考察から、テンソルGμνについて、次のような要請をする。

テンソルGμνのための要請

要請1. Gμν <> リーマン・テンソル

要請2. Gμν<構成--- 1階と2階の微分導関数(計量テンソルgμν)

   Gμν ---have> 2階の微分導関数(gμν) <> 線形

   Gμν ---have> 1階の微分導関数(gμν) <> 2次形式

要請3. (25.18)の定義によって、エネルギー運動量テンソルの、次の性質がGμνへと引き写される。

   対称性 TμνTνμ  <copy--- GμνGνμ

   保存則 Tμν||ν0  <copy--- Gμν||ν0

要請4. 弱い定常な場に対しては極限 (25.12) g00 ≈ (8πG/c4) T00 が生じるべきである。よって、次式が成立する。

   Gμν g00

(25.21)

(25.22)

(25.23)

(25.24)

 

 

(25.25)

(25.26)

 

 

(25.27)

 

  26. アインシュタインの場の方程式 (21)

曲率テンソル

RmikpΓmik/∂xpΓmip/∂xk+ΓrikΓmrp-ΓripΓmrk

RρμλνΓρμλ/∂xνΓρμν/∂xλ

+ΓσμλΓρσν-ΓσμνΓρσλ

(22.3)

 

(26.1)

この曲率テンソルは、その階数は別として、テンソルGμνのための要請1と要請2を満たしている。このことは、次のリッチ・テンソルとスカラー曲率に対しても成り立つ。

リッチ・テンソル

    RμνRρμρν gκρ Rκμρν

(26.2)

 スカラー曲率

    RR μ μ

(26.3)

 これらのテンソルは、(22.7)(22.9)から、添え字に対して対称であり、要請3(25.25)を満たす。テキストでは、ここで突然、次式が提案される。

Gμν a Rμν b R gμν

(26.4)

 ここで導入された未定係数a,bは、要請3の保存則 (25.26) と、要請4の極限 (25.27) によって定まる。

 要請3の保存則 (25.26) を利用するために、ビアンキ恒等式から始める。

ビアンキ恒等式

Rρμσν||λ Rρμνλ||σ Rρμλσ||ν 0

(26.5) [] (23.1)

曲率テンソルの対称性

Rmikp=-Rimkp=-RmipkRimpk

(22.8)

より、(26.5)の左辺第2項と第3項のνとλを入れ替えると、符号が変わる。

Rρμσν||λ Rρμλν||σ Rρμσλ||ν 0

(26.6)

 この(26.6)で、ρとσを等しいとおいて縮約をとる。

Rμν||λ Rρμλν||ρ Rμλ||ν 0

(26.7)

 この(26.7)で、さらにμとνを等しいとおいて縮約をとる。このとき、テキストの訳注5)より、次のように変形できる。

Rμν||νRνμ||ν

gνξ(gνρRρλ)||ξ

gνξ(gνρ||ξRρλgνρRρλ||ξ)

=δρξRρλ||ξ

Rρλ||ρ

 

 

 

 

(26.8)

 すると、まず、次のようになる。

   Rρλ||ρRρλ||ρ 

R||λ Rρλ||ρ Rρλ||ρ 0

R||λ Rμν||νRμν||ν 0

(26.9)

(26.10)

(26.11)

 ここから、次式へと整理できる。

R||λ 2Rρλ||ρ 0 

[or]  Rμν||νR||μ/2

(26.12) [<<] (26.10)

(26.13) [<<] (26.11)

 そして、(21.11) から次式も成立する。

    gμν||ν0

(26.14)

 これらの結果を利用して、(26.4) に対する条件として、要請3の保存則(25.26)を計算しよう。

    Gμν||ν a Rμν||ν b gμν||νR b gμνR||ν

          = a Rμν||ν 0        b gμνR||ν

a R||μ/2 b R||μ

(a/2 b) R||μ0

 [>>]  a=-2b  [or]  R||μ0

 

 

 

(26.15)

(26.16)

  R||μ0とすると、(25.18) Gμν ≈ (8πG/c4) Tμν よりT||μ0 となる。これは、訳注6)に説明されている。

 訳注6)

G||ν a Rνν||μ b R||μδνν

(a4b) R||μ

(8πG/c4)T||μ

 

 

(26.17)

 よって、 a=-2bとなり、(26.4) に代入して、次式を得る。

    Gμν a {Rμν- (R/2) gμν}

(26.18)

 次は、定数aを決める。これは、要請4のニユートン極限の条件から決めることになる。そのため、弱い場の条件③と非相対論的速度の条件④を考える。

弱い場の条件③

g00=η00h00,  |h00|=| g00-η00| << 1

[>>]  g00 η00 1

(26.19)

(26.20)

非相対論的速度の条件④

   |Tik| << T00  , (25.18)

 [>>]  |Gik| << |G00|    

(26.21)

(26.22)

 (26.18) によるGμνの縮約

gμν Gμν a { gμνRμν- (R/2) gμνgμν}

       a { R- (R/2)4 } a { R- 2R } - a R

 

(26.23)

 (26.22) によるGμνの縮約

gμν Gμν g00 G00

(26.20) [>>]     a(R00R/2)

 

(26.24)

 (26.23)(26.24)より

   - a R a(R00R/2) 

- 2R 2R00R 

R 2R00

 

 

(26.25)

 (26.25) (26.24) に代入する。

G00 g00 G00 a(R002R00/2)2a R00

(26.26)

 弱い場に対しては、曲率テンソル(26.1)におけるhμν2乗の項は無視できるので、次のように計算できる。

   RμνRρμρν

Γρμρ/∂xνΓρμν/∂xρ  (|hμν|<<1)

 

(26.27)

 定常な弱い場に対しては、ここから次式を得る。

   R00=-Γi00/∂xi       

[where] (18.7) [>>]   Γi00(1/2)(∂g00/∂x i)

(26.28)

(26.29)

 (26.28), (26.29) ---input> (26.26)

   G00 2a∂Γi00/∂xi  =-ag00

G00g00

(26.30)

(26.31) [<<] (25.27)

 上記2行の式を見比べると、次式がでる。

   a=-1

(26.32)

この(26.32)(25.18) Gμν ≈ (8πG/c4) Tμν(26.18) Gμν a {Rμν (R/2) gμν} から、次式が得られる。

アインシュタインの場の方程式

   Rμν- (R/2) gμν=-(8πG/c4) Tμν

(26.33)

実は、ここで用いられている等号「=」は、近似を表わす「」である。この式に至るまでに、何度も近似の処理が行われている。また、弱い場としての条件も加わっている。

 テキストでは、この(26.33)で、さらに縮約をほどこして、RTの関係を導きだしている。

   Rμμ- (R/2) δμμ=-R=-(8πG/c4) Tμμ=-(8πG/c4) T

(26.34)

 このR=-Tを使って、(26.33) を次のように書き換えることができる。

アインシュタインの場の方程式

   Rμν=-(8πG/c4) {Tμν(T/2) gμν}

(26.35)

 ここでも、等号「=」は、近似を表わす「」のはずである。このようにたどってみると、この式は、かなり近似的な考察を繰り返して生み出されていることが分かる。また、この式を導きだす過程のスタートに置いた、未定係数a,bを組み込んだ(26.4)式の設定も、論理的な根拠に乏しい。これから、これらの(26.33)もしくは(26.35)の式は、求められている要請を満たす、ある一つのモデルとしての、近似方程式であると考えることができる。しかし、その後の研究などにより、この方程式は絶対的なものと見なされるようになっている。

 このページの25章「アインシュタインの場の方程式の条件」と26章「アインシュタインの場の方程式」を概観すると、一般相対性理論を象徴するアインシュタインの場の方程式は、リーマン空間で組み立てられた方程式であることが分かる。このとき、定数ab を決めるために、ニュートン近似が利用されており、ニュートン力学の世界と強く結びついていることが分かる。しかし、特殊相対性理論の世界とは、どのように関係しているのか。特殊相対性理論の骨組はローレンツ変換であり、ローレンツ変換に結びついているのはミンコフスキー空間である。このミンコフスキー空間の計量は、確かに利用されている。弱い重力場では、リーマン計量で用いられる行列gμνと、ミンコフスキー空間の行列ημνが、ほぼ同一視されて取り扱われる。しかし、このときの状況を詳しく眺めてみると、利用されているのは、ミンコフスキー空間の行列ημνの対角成分diag(+1, -1, -1, -1) という量だけであり、ローレンツ変換を象徴する収縮因子γは利用されていない。そして、この収縮因子γのルートの中に入っている、1v2/c2の因子は、まったく利用されていない。つまり、ここで用いられているミンコフスキー空間は、対角成分diag(+1, -1, -1, -1) という量で象徴される計量を持っている4次元空間であるというだけで、長さの収縮と時間の遅延については、何も要請されていないのである。だから、ここでのミンコフスキー空間を、対角成分diag(+1, -1, -1, -1) で象徴される、非収縮長さと非遅延時間の、新たな空間を想定すれば、アインシュタインの場の方程式は成立するということになる。このような4次元空間には、何か固有名をつけておくべきだろう。これとは別に考察していることから連想して、このような空間を「アスタリスク空間」と呼ぶことにしよう。(2008.09.25)

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