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黒月樹人のタバスコキメラミーム14「宇宙の計量①」
Tabasco Chimera Meam 14 of K.K. as “Universal metric
黒月樹人 (KINOHITO KULOTSUKI, treeman9621.com

 1. シュヴァルツシルト計量

タバスコキメラミーム12では「シュヴァルツシルト計量」を、同13では「アインシュタインの場の方程式」を、それぞれ取り扱った。しかし、これらについて論じたというほどのことではなくて、細かなところまで理解したというところだろう。「シュヴァルツシルト計量」では、添え字についての詳しい計算を大量にこなす必要がある。結果だけをノートに写していては、ここのところのプロセスがよく分からない。ここは実際にやってみるべきところだ。そして、何回か挫折しながら、計算ミスのパターンを見出して、正解にたどりついて、それなりの充実感に満たされる。これが世界で初めてのことだったら。そのときの感動を想像してみる。アインシュタインの場の方程式を満たす計量の中で、最も早く得られたのがシュヴァルツシルト計量 (Schwarzschild metric) で、1916年のことであった。これは、アインシュタインの場の方程式が生み出された1915年の、わずか1年後のことである。どこかで読んだというだけの記憶であり、少しあやしいのだが、シュヴァルツシルトは、この「解」を、戦場で生み出したのだという。そこまで詳しいことは載っていなかったが、インターネットで調べると、シュヴァルツシルトはドイツ軍に所属し、第一次世界大戦の西部戦線と東部戦線の両方に参加した。1915年のロシア戦線に従事したとき、天疱瘡(pemphigus)という病気になったという。「それにもかかわらず」と、記述が続くから、この病気で療養しているときに試みたのであろう。そして三つの論文を生み出したと書かれている。これらは、アインシュタインの場の方程式 (Einstein field equations) に対する、初めての厳密解のための論文であった。とまあ、他の資料からの引用は、このくらいにして、この「解」について考えよう。シュヴァルツシルト計量は、次のような姿をしている。

  ds2(12a/r)c2dt2dr2/(12a/r)r2(dθ2sin2 θdφ2)           (1.1)

時間の項 (c2dt2) と、半径距離の項 (dr2) に、同形の因子 (12a/r) が逆数の関係でついているのが特徴である。空間項の他の変数であるθφの項には、何も掛かっていない。これは、モデルの構成法に関係している。「球対象で静的に質量が分布した物体」というものが考えられている。だから、何かが変化するとしたら、半径距離の方向だと考えるわけだ。しかし、実際に計算してみたのだが、この半径距離の項の前だけに、未定係数としての関数(A(r))をつけただけでは、論理的に整合した解は得られない。シュヴァルツシルトの成功は、時間の項の前にも、未定係数としての関数(B(r))をつけて、これらをセットにして解析したということにあるのかもしれない。そして、後に、地球の地表付近にある時計と、地球半径の数倍の距離にある人工衛星の時計とでは、時間を刻むペースが異なるのだという予測がなされることになる。このような現象を考慮して、GPS衛星による全地球測位システムは、正常に作動しているという主張がなされる。しかし、このことを詳しく調べてみると、一つの現象に対して、同時に適用できないはずの、特殊相対性理論の予測値と一般相対性理論の予測値を、加算して、総合的な予測値を出しているという。また、一日の距離としての「ずれ」は10kmにもなるという主張のプロセスを再計算したところ、わずか3cmに過ぎないものであった。おそらく、一日の秒数である86400が二度掛けられて、10kmになったものと推定できる。これらのことから、相対性理論によって、GPS衛星の時計が補正されているという主張は、信じがたいものとなった。

 これらと同時に、アインシュタインの特殊相対性理論の基礎となった、ローレンツ変換の成立過程と、その前駆的な理論について調べたところ、マイケルソン-モーリーの実験の解釈から、アインシュタインの特殊相対性理論に至るまでの物語に、いろいろな誤りがあることが分かってきた。そして、ローレンツ変換というものが、この世界に、どうしても必要なものであるということではないことも分かってきた。すると、ローレンツ変換を構成している、二つのアイディアもしくは仮定である、①進行方向での物体の収縮と②運動する物体での時間の遅れ、これらの現象が、はたして本当に起こっているのかということが疑われる。特に、測定しやすいからであろうか、時間の遅れについて議論されているものの、これと切り離せないはずの、物体の収縮については、ほとんど忘れられているようなありさまだ。

 このような観点から、あらためてシュヴァルツシルト計量を見直すと、長さの次元での変化と時間の次元での変化が、ともに組み込まれていて、なるほど、これはローレンツのアイディアとよく似ている。だから、うまく「解」が見つかったのかもしれない。では、このシュヴァルツシルト解を生み出す源となった、アインシュタインの場の方程式は、どのようにして生み出されたのか。

 2. アインシュタインの場の方程式

 タバスコキメラミーム13で「アインシュタインの場の方程式」を取り扱った。一度、フリースバッハの「一般相対性理論」の、この章のところまでを、手書きのノートを作りながら学習した。このとき、式の変形に関する詳しい計算を書き込んで、論理の鎖をつなげていった。このようにすることによって、理解のための空白部分を削り取ってゆくことができる。ところが、アインシュタインの一般相対性理論の全体は、かなり大きなものであり、細かな論理の筋道だけをたどっていると、全体像を見失うことにもなりかねない。そこで、全体像を明らかにするための、構成要素の要点だけを、順次リストアップすることにした。それが、タバスコキメラミーム13「アインシュタインの場の方程式」での、このページの24章までのところである。ここまでが準備ということになる。そして、疲れた脳を休めるために、ふだんより多めに眠ってから、テキストの「アインシュタインの場の方程式」を理解することにした。テキストでは、わずか4ページ分である。しかし、ここには、それまでの知識がふんだんに盛り込められていて、複雑に絡みあっている。これらの知識の構造を調べつつ、これらのノートを構成していった。テキストでは簡単に述べられていることについて、かなり詳しく分析したつもりであり、ここで描かれている知識の設計図のようなものを描くことができた。そして、わずかばかりの感想を、最後につけ加えた。こうして、ようやく気づくことができたことがある。このアインシュタインの場の方程式が構成されるプロセスの中には、ローレンツ変換で現れる収縮因子γが、どこにも利用されていないということだ。利用されているのは、ミンコフスキー空間の計量行列ημνdiag(1,1,1,1) 。これは、かなり抽象化された量で、ここには、「①進行方向での物体の収縮」も「②運動する物体での時間の遅れ」も含まれていない。ミンコフスキー空間はローレンツ変換のために生み出されたが、ローレンツ変換そのものを含んでいるわけではないのだ。だから、仮に、運動方向での長さの収縮も、時間の遅延も生じないが、計量行列ημνdiag(1,1,1,1) だけはもっているという空間を想定すれば、ここから構成されたリーマン空間は引きつがれるのである。

 3. 計量と空間

 計量とは、metricの訳語である。マグロウヒルの「英和 物理・数学用語辞典」によると、次のように説明されている。

 metric 距離,計量 [数]次の4つの規則を満たす位相空間Xの実数値の距離関数。①Xの点x, y, zに対して、xと自分自身との距離はゼロ。②xyが違えば、xからyへの距離は正。③xからyへの距離とyからxへの距離は相等しい。④xからyへの距離は、xからzへの距離とzからyへの距離の和より小さいか、または、それと等しい(3角不等式)

 これは、おそらく、abとの距離関数をdist(a,b)と表すことにしたら、次のようになる。 dist(x,x)=0. dist(x,y)>0, (x≠y). dist(x,y)dist(y,x). dist(x,y) ≥ dist(x,z) dist(z,y). ここでの定義は、純粋に数学的なものだ。

 物理学で用いられている「計量」の定義は、これとは異なっている。調べてみると、これはmetric tensor と名づけられた量のようである。具体的な例をあげよう。

ds2dx2dy2dz2 (ユークリッド空間)                       (3.1)

ds2c2dt2dx2dy2dz2ηαβαβ(ミンコフスキー空間)  (3.2)

ds2gμν(x)dxμdxν (リーマン空間)                           (3.3)

 これらの数式は「線素」とも呼ばれる。ミンコフスキー空間とリーマン空間は、一般相対性理論が構成される前に、次々と現れた。しかし、はたして、それらは何らかの実態をもっているのだろうか。おそらく、これらは、自然に対するとらえ方が異なったということなのだろう。ミンコフスキー空間の線素は、

ds2=-c2dt2dx2dy2dz2   (ミンコフスキー空間)        (3.4)

と書かれて定義されることもある。つまり、ユークリッド空間の線素に「c2dt2」という時間項が加わったわけだ。そして、これまでの「宇宙」が「空間」だけであったのが、「空間」と「時間」を加えて「時空」と呼ばれるようになった。空間を構成するための、長さの次元へと合わせるために、時間tに光速度cが掛けられている。それだけではない。「c2dt2」ということは、これの平方根はictである。ここで使ったiは虚数単位。どのような理由で、このようなことになったのか、詳しいことは知らない。ともかく、このようにして、ミンコフスキー空間は、x, y, z, ict 4成分をもつ4次元時空間ということになった。

 リーマン空間は3次元とか4次元とか決まっていない。ユークリッド空間やミンコフスキー空間との大きな違いは、座標軸が直線ではないということだろう。ユークリッド空間ではガリレイ変換が成立して、ミンコフスキー空間ではローレンツ変換が成立する。この記述は物語を複雑にしてしまうだろう。本当は、こうである。ガリレイ変換はニュートン力学とうまくいっていたが、マクスウェルの電磁方程式とはうまくいかなかった。そこで、マクスウェル方程式とうまくいくローレンツ変換が生み出され、このことに対応して、ミンコフスキー空間が生み出されたのである。このとき、ユークリッド空間での作用素であるラプラシアン()から、ミンコフスキー空間での作用素としてのダランベルシアン()が生み出された。このダランベルシアンがマクスウェルの電磁方程式と強く結びついている。ところで、ガリレイ変換の式をダランベルシアンへと代入すると、ガリレイ変換前の値と変換後の値とで、同じような形にならなかったのである。余分な項が現れたのだ。ところが、ガリレイ変換ではなく、ローレンツ変換の式をダランベルシアンへと代入すると、余分な項が現れない。それには理由がある。ローレンツ変換では、変換式に未定係数を組み込んでおいて、このままダランベルシアンに代入し、出てきた余分な項が、恒等的にゼロとなるように、未定係数の形を決めたからである。このときの未定係数の一つが、ローレンツ変換では特徴的な「収縮因子」と呼ばれるものであった。

 問題となったのは、マクスウェルの電磁方程式が、ユークリッド空間では、うまく生き続けることができないということだった。そのため、マクスウェルの電磁方程式と強く結びついているダランベルシアンが判定のための道具として利用された。ところが、このダランベルシアンは、1次式を基礎とする変換式では、余分な項を生み出すが、2次式を基礎とする変換式では、余分な項を生み出さない。アインシュタインたちは、ニュートン力学とマクスウェルの電磁力学を天秤にかけて、マクスウェルの電磁力学のほうが正確なもので、ニュートン力学のほうは近似であると考えた。そして、ローレンツ変換を採用し、ミンコフスキー空間を生み出した。

ところが、このとき、ローレンツ変換ではなく、2次曲線を基礎とした、ガリレイ変換とよく似た変換を想定すれば、ダランベルシアンで余分な項を生み出すことはない。また、この2次曲線の短い区間に対して直線近似したものがガリレイ変換であるという「視点」を導入すれば、考えている問題が消えてしまう。このような変換を「アスタリスク変換」と呼び、それに対応する空間を「アスタリスク空間」と呼ぶことにした。ただし、まだ公にはなっていない。

このような視点をもった上でローレンツ変換を見直してみる。ガリレイ変換が直線近似であったのと同じように、2次曲線での変換とうまくいくマクスウェルの電磁力学に対して、ローレンツ変換では、無理にでも直線での変換式をつらぬこうとした。そして、生じた余分な項を消すため、長さの収縮と時間の遅延という、二つの信じがたい仮定を、ともに受け入れる必要が生じた。そして、アインシュタインの特殊相対性理論によって、それらは共に受け入れられてゆく。しかし、これでよいのだろうか。

 一般相対性理論のテキストを読むと、リーマン空間はミンコフスキー空間から変換されるとある。そして、一般相対性理論の象徴である、アインシュタインの場の方程式は、ミンコフスキー空間での物理量に基づいて成立しているように説明されている。しかし、これらの基礎となるミンコフスキー空間を支えているローレンツ変換は、直線変換という無理を貫き、不自然な仮定を幾つもつなげたものである。このような仮定は、一般相対性理論から生み出される、幾つもの計量と、それが表現する空間へと影響してゆく。しかし、はたして、それらは本当に存在するのだろうか。

 4. 4種の計量

 アインシュタインの場の方程式が1915年に生み出され、その翌年の1916年に、この方程式の厳密解の一つである「シュヴァルツシルト解」が生み出され、何十年もかかって、少しずつ、そのような解が見出されてきた。1963年に見出されたカー計量 (Kerr metric) は比較的有名なもので、ブラックホールを説明するために利用される。この資料を調べていると、次のような表が載っていた。

(4.1)

非回転 (J0)

回転 (J0)

非電荷 (Q0)

Schwarzschild

Kerr

電荷 (Q0)

Reissner-Nordström

Kerr-Newman

 Reissner-Nordström計量

 これはH. Reissner (1916) G. Nordström (1918) の論文で発表されたようだ。この計量も比較的早く見出されている。

記の計量でds2とあるところが、調べた資料ではc2dτ2となっているが、これも相対性理論の影響であろう。フリースバッハのテキストでは、これらの計量のすべてが紹介されているわけではないが、紹介されているものについてはds2で通している。ここでは、フリースバッハの流儀に従うことにする。

ds2(1rs/rr2Q/r2)c2dt2dr2(1rs/rr2Q/r2) r2 2r2 sin2θ dφ2    (4.1)

このときの変数や定数を次に示す。

t <> 時間座標(絶対時間あるいは遠方時間),

r <> 半径座標(星の中心から伸びる半径),

rs <> 質量物体のシュヴァルツシルト半径  rs=2GM/c2, G <> 重力定数,

rQ <> 質量の電荷Qに対応する長さのスケール r2Q=Q2G(4πε0c4),

θ <> 北極から測る角度(colatitude),

φ <> ラディアンでの経度(赤道での角度),

c <> 光速度,

この計量の数学的な形式は、シュヴァルツシルト計量(1.1)と、よく似ている。シュヴァルツシルト計量で、時間項に掛かっている因子 (12a/r) が、Reissner-Nordström計量では、(1rs/rr2Q/r2) となっており、いずれも、これらの因子が、半径座標rの項で、逆数になって掛かっている。2aはシュヴァルツシルト半径だから、rsと等しい。すると、これらの因子において、電荷が存在することによりr2Q/r2の項がつけ加わったということになる。

ここからKerr計量が見出されるまで45年が経過している。回転について考慮するのは難しかったようだ。見出されたKerr計量の数学的な形式も、それなりに複雑なものとなっている。

ds2(1rs r/ρ2)c2dt2(ρ2/Λ2)dr2-ρ2 2

(r2+α2 rs rα2 sin2θ/ρ2) sin2θ dφ2

(2 rs rαsin2θ/ρ) c dt dφ                 (4.2)

 ここで用いられている新しい記号の内容を定義しておこう。

rs <> 質量物体のシュヴァルツシルト半径  rs=2GM/c2, G <> 重力定数,

α=JMc, J <>角運動量 , M <> 質量,

 ρ2r2+α2cos2θ

 Λ2r2rsr+α

 αが角運動量を長さの次元へと変換した量になっているようだ。これと半径rやシュヴァルツシルト半径rsとが組み合わされて、ρΛの因子が構成されている。複雑な解析処理において、このようなまとめは、よく行われる。コンピュータのプログラムで複雑な計算を行うときは、途中で、何度も、新しい変数を定義してゆくことが多い。1900ごろの計算では、このような置き換えは嫌われていて、とにかく、最後まで、変数を追いかけてゆくことが多い。力技とも呼んでいる手法だ。Kerr計量についての注釈は、このくらいにしておこう。

 表4.1の右下にあるKerr-Newman計量が、必然的に、最も複雑なものになりそうだ。

ds2[1(rs rr2Q)/ρ2]c2dt2(ρ2/Λ2)dr2-ρ2 2

[r2+α2 (rs r r2Q)α2 sin2θ/ρ2] sin2θ dφ2

2α[(rs rr2Q)sin2θ/ρ] c dt dφ                 (4.3)

 このKerr-Newman計量をKerr計量と見比べると、Kerr計量でrs rの項が、Kerr-Newman計量ではrs rr2Qに変わっていることが分かる。形式的には簡単なことになっているが、この理由を説明するのは難しいことだったのかもしれない。

 これらの4つの計量については、あまり詳しく説明できるほど理解できていない。導出法について理解できたのはシュヴァルツシルト計量だけである。また、他の3つの計量は、電荷と回転が考慮されていて、より現実的になったと考えられるかもしれないが、このときの電荷や回転は、地球のものとは、かなりかけ離れたものであるようで、これらの計量の式は、おもにブラックホールについての議論に適用されており、私の力量をはるかに上回ってしまう。視点を変えよう。

 5. ロバートソン-ウォーカー計量

トールステン・フリースバッハの「一般相対性理論」では、シュヴァルツシルト計量をはじめとする上記の4種の計量とは、少々異なった計量が紹介されている。ロバートソン-ウォーカー計量 (Robertson-Walker metric) である。宇宙論についての章で取り扱われている。インターネットのウィキペディアで成立年代を調べようとしたら、タイトル名が長くなっていて、4名連記となっている。それらをすべて書き込んだ、この計量の正式な名称は、Friedmann-Lemaître-Robertson-Walker metric である。これらの名前の二人目はベルギー人らしく、名前の発音がよく分からない。Georges Henri Joseph Édouard Lemaître (1894-1966) 天文学者、宇宙物理学者とある。一人目はロシア人で、Alexander Alexandrovich Friedman (1888-1925) 宇宙論者とある。名前の最後にnが一つしかついていないのに、上記の計量名ではnnとなっている。ロシア語での名前ではФридманであり、nの発音となるнは一文字しかついていない。なぜだろう? 三人目はHoward Percy Robertson (1903-1961) アメリカの数学者、物理学者とある。四人目はArther Geoffrey Walker (1909-2001) イギリスの数学者のようだ。これらの四人の名前で呼ばれることは少ないようで、Friedmann-Robertson-Walker metric (FRW), Robertson-Walker metric (RW), Friedmann-Lemaître metric (FL) などと名づけられているらしい。ここでは、テキストに倣って、ロバートソン-ウォーカー計量と言い表すことにしよう。

名前のことばかり書いているわけにはいかない。世界のあちこちで、独自に4人も導き出した、この計量の表現は、シュヴァルツシルト計量によく似たものである。なるほど、このような形の解もあるのか、と思って眺めてしまう。シュヴァルツシルト計量は次のような姿をしている。

  ds2(12a/r)c2dt2dr2/(12a/r)r2(dθ2sin2 θdφ2) (5.1)

これに対して、ロバートソン-ウォーカー計量の形は、次のようになっている。

  ds2c2dt2R (t)2[dr2/(1k/r2)r2(dθ2sin2 θdφ2)] (5.2)

Kerr計量などの表現式に対して、かなりシンプルな形式である。この計量の表現式が、上記の4種の計量と異なるのは、時間項に係数が何もついていないということであろう。その代りに、他の3つの変数項のすべてに、時間変数を含むR(t)という項が掛かっている。半径rの項に掛かっている逆数の因子の中で、r2乗となっている。形式だけを見て感じるところは、これくらいであろうか。

それでは、この計量がどのような意味をもつのかということについて、おもにフリースバッハのテキストから学ぶことにしよう。このあと、6. ロバートソン-ウォーカー計量の導出」を構成するつもりであるが、長くなりそうなので、タバスコキメラミーム14は、ここで終了し、タバスコキメラミーム15へと、つづく。(2008.09.27)

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