医療画像解析ソフト ゴブリンアイズ(4)解析手法ガイドページ「風景」

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito @ 9621 ANALYSIS)

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 解析手法ガイドページ「風景」

 ゴブリンアイズの3つの解析手法ガイドページの3番目は「風景」です。
 多くの方は順番が逆だと思われるかもしれません。「風景」から始まって「科学」ができ、その特殊なものとして「X線」が生まれたと。でも、事実は「X線」→「科学」→「風景」でした。いちばん特殊で分かりにくい「X線」のための案内ページがどうしても必要だということで、ガイドページを思いつき、それなら「科学」についてもまとめられそうだ。ところで、これらは一般の風景画像には、あまりに奇抜すぎて、どんな意味合いがあるのか分からない。このような流れで、ようやくガイドページの「風景」へとたどり着いたのです。

 ガイドページ「風景」のいくつか

 ガイドページ「風景」のいくつかを、解説の前に取り上げます。いずれも、微妙な違いがあって、原画像ではなく、何か一つを取り上げるとしたとき、どれを選べばよいのか迷うかもしれません。

図1 ガイドページ[風景」1(中庭)
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図2 ガイドページ[風景」2(山門)
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図3 ガイドページ[風景」3(階段)
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図4 ガイドページ[風景」4(木の根)
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図5 ガイドページ[風景」5(礎石)
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図6 ガイドページ[風景」6(羊)
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 ガイドページ「風景」の11の解析法

 ガイドページ「風景」の11の解析法について説明します。
 解析手法ガイドページ「風景」の小画像の内容は表1のようになっています。

表1 解析手法ガイドページ「風景」の小画像の内容



 これらの11の解析法について、言葉だけで説明しても分かりにくいので、このあと、図2ガイドページ[風景」2(山門)から切り抜いた(A〜Kの)小画像を、O) 原画像と並べて比較する方法をとることにします。それぞれの図で(向かって)左は常にO) 原画像です。

 A) 対照(コントラスト)D&L

 対照(コントラスト)D&LのD&L意味は、Dark & Light の略記号です。つまり、暗いほうも明るいほうもコントラストを効かせるという意味です。
 このように記しているということは、暗いほうだけ(Dark)や明るいほうだけ(Light)コントラストを効かせるというモードもあるわけです。


図7 (左)O) 原画像,(右)A) 対照(コントラスト)D&L

 B) 対照(コントラスト)dull

 対照(コントラスト)のSPOTという項目の分類には、w) D&L, d) Dark, l) Light のほかに、d) dull というものがあります。これは、コントラストというより、逆コントラストと呼んだほうがよいものです。コントラストを強くするのではなく、コントラストを弱くするという効果があります。
 実際の詳しい操作ができるページでは、いろいろな段階で調整できるのですが、ガイドページの設定では、比較的弱い効果で現われるようにしてあるので、この山門の画像では、その効果が分かりにくいかもしれません。


図8 (左)O) 原画像,(右)B) 対照(コントラスト)dull

 C) 中央値フィルター

 これは別名メディアンフィルターと呼ばれるものです。
 移動平均(ランニングアベレージ)では、(少しずつ移動してゆく)平均する区間のデータについて、まさに、それらの算術平均値を採用します。このとき、全体にピンボケ画像となってしまいます。
 これに対してメディアンフィルターでは、算術平均値ではなく、メディアン(中央値)を採用します。
 すると、全体的にピンボケ化するのではなく、ある区間について一定のメディアンが採用されるとき、そこが同色となって、一種の「塗り絵」のようなものになるわけです。


図9 (左)O) 原画像,(右)C) 中央値フィルター

 D) フルーツ(Peach) 

 フルーツ解析というのは色のバランスが崩れている画像について、そのバランスを調整するために組みあげたアルゴリズムです。色のバランスが崩れていないものについても、強制的に色の配置を効果的に調整しますので、結果的に、すべての色についてのコントラスト効果を生み出すこととなります。
 Peach解析はフルーツ解析のいちばん最初に生まれたモードで、この解析の基本となるものです。


図10 (左)O) 原画像,(右)D) フルーツ(Peach) 

 E) フルーツ(Lime)

 フルーツ解析にはいろいろなモードがあります。それぞれに色の調整のパターンが異なります。言葉で表現するのは難しいので、実際のフルーツ解析ページへ進み、それらの微妙な違いを観察してください。Peach解析に比べ、このLime解析では、すこし、やわらかめの効果を生み出します。
 フルーツ解析の [5] 種類には、Peach, Apricot, Kiwi, Carrot, Onion, Akebia, Cherry, Lime, Marron があります。感覚的に判断できそうなのは、Carrotが暗めにコントラストが効いて、Onionが明るいということぐらいですか。あとは言葉で表現するのは難しいものです。


図11 (左)O) 原画像,(右)E) フルーツ(Lime)

 F) 色の強弱 CX200

 色の強弱 CX200 の記号CX200 のCはColorの頭文字ですが、Xは×(掛ける)の代用です。
 原画像の色の強弱をCX100と決め、その2倍の強さのときをCX200と呼びます。色を弱めるときはCX50などと減らしてゆき、CX1が白黒画像です。
 実際の「強弱」ページでは、CX1からCX1000まで変化させることができます。


図12 (左)O) 原画像,(右)F) 色の強弱 CX200

 G) G.アイ(ゴブリンアイ)

 このときの原画像は撮影されたままのものですので、ゴブリンアイによる効果はほとんどありません。
 ゴブリンアイは、小さな領域を拡大した画像などにつきまとう、拡大なめらか補間にともなう色のかすみを取り除くという目的のために開発した(秘密の)アルゴリズムです。
 ここでは、このような解析法があるということを示すにとどまっています。


図13 (左)O) 原画像,(右)G) G.アイ(ゴブリンアイ)

 H)

 の意味は、任意の画素の色(r, g, b)に対して、Gの値をRに、Bの値をGへ、Rの値をBのところへ入れ替えるということです。すると、この画素の色は(g, b, r)となります。緑の木々の色が赤く変換されているので、この対応で間違っていないようです。


図14 (左)O) 原画像,(右)H) 変換(R

 I) 染色(抜色)

 染色の [1] モードには [染色] と [抜色] の2種類があります。
 このガイドページでは、[抜色] のほうを選び、[5] 色 としては [1→] ページの [深紅色] を指定しています。この色は(r, g, b)=(220, 20, 60) というもので、完全な赤(r, g, b)=(255, 0, 0) ではありません。詳しいアルゴリズムは明かせませんが、[2] 〜 [4] の設定に基づき、微妙な調整で、この色の比で色を抜いてゆきます。赤色成分のrの比率が大きいので、緑と青が強くなってゆきます。
 [1→] ページには、深紅色、ブラウン、オレンジ、ゴールド、黄緑、ライム緑、深夜青、インディゴ、といった、かなりマニアックな色が並べてありますが、[2→] ページに、レッド、イエロー、ライム、アクア、ブルー、マゼンタ、明瓦灰色、といった、分かりやすい色が用意してあります。[3→] ページになると、ふたたびマニアックになって、耐火煉瓦、トマト、カーキ、新緑、トルコ青、暗瓦灰色、スミレ色、銀色、となります。


図15 (左)O) 原画像,(右)I) 染色(抜色)

 J) 色加味 (軟)

 上記の染色は一つの色によって全体を染めるわけですが、色加味で用いるのは、暗いところから明るいところまで7色の異なる節色で組み立てられたカラーグラデーションです。
 色加味のモードとして [軟] [中] [硬] のクイックスイッチが用意してあります。
 [硬] は、もとの色をすべて無視して、もとの色の濃淡値に応じて、この7色カラーグラデーションへと完全に置き換えるものです。
 それ以外の [軟] や [中] では、もとの色と、これらの7色カラーグラデーションの、重みづけ平均値としてゆくわけです。つまり、すこしだけ染めることになりますが、染色に対しては、単色ではないという違いがあります。
 実は、このスイッチの下にある、帯スイッチを使って、それらの中間的な状態も設定することができます。


図16 (左)O) 原画像,(右)J) 色加味 (弱)

 K) ライス(アズキ)

 ライスと大きくまとめた解析法は逆フルーツと考えれば分かりやすいと思われます。(詳しいアルゴリズムは明かせませんが)色のバランスを強制的に調整するフルーツ解析とは逆の方向の処理をするものです。
 コントラストは一般に弱くなりますが、それだけではなく、少しずつ、微妙な味わいが組み込まれることとなります。
 ライス解析の [5] 種類には、コメ、コムギ、ジャガイモ、アズキ、ダイズ、コーン、アワ、カカオ、ライムギがあります。名前を借りているだけで、現物との関連はありません。これらの違いは、別のソフトにある画紋解析で区別することができますが、ここでは触れないことにします。


図17 (左)O) 原画像,(右)K) ライス(アズキ)

 あとがき

 「風景」ガイドページは「おまけ」のつもりで構成したのですが、このように、微妙な変化の画像を並べてみると、それはそれで、自然な植生の変化に似て、味わい深いものとなることが分かりました。このガイドページから、それぞれの解析ページへと進む前に、全体のバランスの重心や変化の流れのようなものを、ついつい眺めてしまっています。
 お医者さんや科学者のみなさんではなく、それ以外のことに関わっておられる方には、この「風景」ガイドページのほうがメインで、「科学」や「X線」のほうが「おまけ」と思えるかもしれません。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, July 28, 2016)

 

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