X線画像解析ソフト ゴブリンアイズ(14)「暗明合成」マニュアル

黒月解析研究所(9621Analysis)


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 暗明合成

 「暗明合成」には、P画像とQ画像の画素データを用意し、これらの濃淡値を基準軸として、一つの境界ゾーンで内容を取り換えるもの(モード I )と、二つの境界ゾーンを設けて、どちらか一方の中間的なゾーンを入れ替えるもの(モード II )があります。
 もともとは、「平均合成」の中の、一つの変化としてのものでしたが、ここでは、かんたんなものしか設定しておらず、より一般的な変化を追い求めるため、新たな解析ページとしたものです。

図1 暗明合成 モードIIの(中央値128, 中央幅80)と[](128, 80)

 図1の暗明合成 モードIIの(中央値128, 中央幅80)の、モードIIのの意味は、P画像(赤いもの)の中間的な濃淡値のところを、Q画像(黄緑色のもの)で置き換えるということです。(128, 80)は、その逆の対応となります。
 このときの濃淡値中間ゾーンは、中央値が128で中央幅が80となっていますから、128-40=88から128+40=168の範囲ですが、このモードにおいては、常に境界での変化はなめらかなものとなっていますので、そこでは色が混じって、赤色でもなく黄緑色でもない、新しい配色になります。

 「暗明合成」ページのスイッチ

 「暗明合成」解析ページのスイッチを図2にまとめました。
 このとき黒い枠になっているところは、そのスイッチが作用していることを示していますが、図1(c)に対応しています。

図2 「暗明合成」解析ページのスイッチ

 (a) リセット このロゴマークはリセットスイッチです。
 (b) P画像 [呼出(P)] は、P画像を呼び出して、外部ファイルとしてのP.bmpに保存します。
          [確認(P)] は、P.bmp を呼び出して表示します。
 (c) Q画像 [呼出(Q)] は、Q画像を呼び出して、外部ファイルとしてのQ.bmpに保存します。
          [確認(Q)] は、Q.bmp を呼び出して表示します。

 (d) モード(I) 一つの境界ゾーンで内容を取り換えるモードです。P | QQ | Pでは、中央値がそのまま境界値となります。P/QQ/Pでは、中央値の前後に、なめらかに変化する領域(ゾーン)をもっています。

 (e) 中央値 モード(I) では、境界値や、境界ゾーンの中央値となります。モード(II) では、濃淡値の中央に割り込む別の画像の、下限境界値と上限境界値との中央値となります。
 [ 64] から [224] は中央値のクイックスイッチです。
 帯スイッチの中を(左)クリックすることにより、32から224の範囲で、自由に指定することができます。また、右についているダイアモンドスイッチの左半分や右半分をクリックすることで、値を減らしたり増やしたりすることもできます。このときの単位は8です。
 値の窓の右にあるダイアモンドスイッチも同じはたらきをします。

 (f) モード(II) 二つの境界ゾーンを設けて、どちらか一方の中間的なゾーンを入れ替えるものです。の二つのモードがあります。

 (g) 中央幅 濃淡値の中央に割り込む画像の、下境界ゾーンの中間値と、上境界ゾーンの中間値との間隔です。
 [ 48] から [128] は中央幅のクイックスイッチです。
 その下にある帯スイッチでは、下境界ゾーンの中間値と上境界ゾーンの中間値との間を色づけています。これらの真ん中にある中央値より、(向かって)左をクリックすれば、新たな下境界ゾーンの中間値となります。(同)右をクリックすれば、新たな上境界ゾーンの中間値となります。これらの値が変わるごとに、中央値や中央幅が変わりますので、それらの値は、→の記号の右に表示されます。
 帯スイッチの左右にあるダイアモンドスイッチによって、下境界ゾーンの中間値と上境界ゾーンの中間値を変えることもできます。
 値 [ 88] 〜 [168] の88が下境界ゾーンの中間値で、168が上境界ゾーンの中間値です。このページには電卓を設定してありませんので、これらの窓は値を表示するだけです。
 (h) 実行 暗明合成を実行します。(d) モード(I)、(e) 中央値、(f) モード(II)、(g) 中央幅の、それぞれのスイッチには、この実行スイッチの指令も含めてあります。
 (i) 保存 [KEEP] は画像データを内部配列のiso[ ] に記録し、外部のKEEP.bmpとして仮保存します。このKEEP.bmpはゴブリンアイズを閉じるときに削除されます。
 [保存] は「名前を付けて保存する」ダイアログボックスを呼び出します。KEEP.bmp, P.bmp, Q.bmp, G.bmp 以外の名前を付けて保存してください。このとき内部配列のiso[ ] は変えません。

 モード ( I ) のP | Q と P/QやQ | P と Q/Pの違い

 モード( I ) にある P | Q とP/Q の違い、あるいはそれらの逆のQ | P とQ/p の違いを解析画像として示しておきます。

図3 暗明合成 モードI の P | Q (中央値64) とP/ Q (中央値64)、その逆

 中央値と呼んでいますが、P | Q や Q | P では、境界値そのものと呼ぶことができます。
 この図3では、中央値を64としています。濃淡値の64です。かなり暗いところにある境界です。
 すると、P | Q や Q | P では、その境界の前後で、P画像とQ画像が入れ代わりますから、そのあたりの様子が、まるで、小島をともなったリアス式海岸のようになります。
 これに対して、P/QやQ/Pでは、64を中央値として、32少ない32から変化が始まり、32多い96のところまで変化してから、別の画像へ代わります。
 このため、濃淡値の32から96のところでは、P画像とQ画像の混色がおこって、なめらかな色変化となります。中央値のところは、5対5の平均画像となるわけですが、そこも、単なる変化の中継点なので、とくに目立った変化にはなりません。

 モード ( II ) における中央値と中央幅の組み合わせの違い

 モード ( II ) における中央値と中央幅の組み合わせの違いについて図4をまとめました。

図4 暗明合成 モードII の での中央値と中央幅の変化

 モードII には があります。
 たとえばは、のところと、のところの、二つの変化ゾーンをもっています。
 このときを、のところの変化ゾーンの中央値とします。そして、この変化ゾーンが始まるところを とします。終わるところは です。
 一方、のところでは、変化ゾーンの中央値がで、から始まり、で終わります。
 図4の(128,48)や(128, 80)の128は、二つの変化ゾーンの中央値についての、全体の中央値です。これは の中央値のことです。これらの値の平均値として決まります。
 48や80は中央幅です。これは によって決まります。
 この解析では、中央幅が64より大きいときの変化ゾーンの幅をすべて64としてあります。中央値が64小さいときは、変化ゾーンの幅を中央値と同じにしてあります。
 ですから、 = − 32 となります。
  = + 32です。
  のところの変化ゾーンについても同じです。
 このような定義により、(c) 暗明合成  (128, 48)での、 のところの変化は、128-24-24=80から始まって、128-24+24=128で終わります。のところの変化は、128+24-24=128から始まって、128+24+24=176で終わります。
 ですから、(c) 暗明合成  (128, 48)でのQ画像は、濃淡値128のところだけで、80から176まではP画像とQ画像の混色となります。
 これに対して、(d) 暗明合成  (128, 80)では、中央幅が64より大きな80ですから、Q画像だけのところが広がります。の変化ゾーンは、128-40-32=56から始まり、128-40+32=120で終わります。の変化ゾーンは、128+40-32=136から始まり、128+40+32=200で終わります。ですから、120から136までのところはQ画像の色です。56から120までと、136から200までのところは混色です。それ以外のところはP画像となります。
 かくして、かなり複雑な状況が次々と生まれることになります。
 ここでのサンプル画像を歯の画像としましたが、あまりに変化が複雑なため、コントロールするのがむつかしく、X線画像の解析には向かないものと考えられます。
 しかし、こちら側の理性でコントロールして、分かりきった画像を作って見るのではなく、このように、感覚的な画像としたとき、これまで何も気づかなかったものが浮き上がってくるかもしれません。
 「あそび」や「芸術」のために使うのであれば、いろいろと楽しむことができるでしょう。
 あるいは、P画像とQ画像をどのように選ぶかということで、新たな利用価値が生まれる可能性があります。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, August 15, 2016)

 

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