c10 2019年3月27日の腫瘍マーカーCEAとCA19-9

田中 毅(TANAKA Takeshi @ 9621 ANALYSIS)

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 2018年12月27日の腫瘍マーカーCEAとCA19-9

 はじめに、このページのタイトルの血液検査から、きっちり3ヶ月さかのぼった、2018年12月27日の腫瘍マーカーCEAとCA19-9の値について確認しておきます。
 これらの値はCEAが26.2(5以下)であり、CA19-9が1299.6(42以下)でした。
 c07 腫瘍マーカー CEAとCA19-9 に添えた参照資料の [3] には、100U/mLを超える異常高値という表現があります。
 それではこのCA19-9が1299.6(42以下)という値のことは、言葉でなんと表現すればよいのでしょうか。

 2019年3月27日の腫瘍マーカーCEAとCA19-9

 この日、大きな病院の担当医が、血液検査の一覧表で、まったく触れることなく無視し続けた、2019年3月27日の腫瘍マーカーCEAとCA19-9の値は、CEAが34.5(5以下)であり、CA19-9が2267.0(42以下)でした。
 担当医の話を聞きながしながら、このCA19-9の数値をちらりと見て、私は
 「すごい」
と心の中でつぶやきました。
 担当医が思ったことや考えたことは分かりません。何も触れなかったからです。

 想定内です

 いつも心配してくれる看護師さんが、診察室の外で話しかけたとき、私は
 「だいじょうぶです」
 「ほんとうですか」
 「腫瘍マーカーのCA19-9の値も、私の想定内です」
 「……」
 「免疫細胞がガン細胞を攻撃しているとき、ガン細胞は、腫瘍マーカーとなるタンパク質を、一次的に多く排出することがあるということは、1月の時点で学んでいました [5]。それにしても、ここまでの値にまでなるとは…驚きました」
 「……」
 「私の体の中で起こっていることです。こんなすごい値になっているのに、私はなんともありません。私の免疫細胞が優位に立っていることは、感じ取れます」
 「……」
 「昨日の0時ごろ、胆のうが破れたところです」
 「えっ? だいじょうぶなんですか」
 「これで3回目です。破れたあと、胆汁がお腹の中にしみだし、それを白血球が処理するとき痛みがでるので、歩くのが嫌になりますが、2・3日で治ってゆきます。もう慣れてしまいました」
 「そうですか」
 「今まさに、争いが続いているところです」
 「……」
 「正しく援護すれば勝てると思っています。やり方は分かっています」
 「……」
 「ガンの転移も起ったようです」
 「えっ? そんな…」
 「3月の初め頃、左のあごの下のリンパ腺が腫れて痛み出したのです。虫歯なんて何もないのに。これはきっと、ガン細胞が脳へ侵入しようとしていたのをくい止めるため、免疫細胞のリンパ球が闘っていたためでしょう。この痛みは数日で消えました。このことも想定内です [6]。知っていました」
 「……」
 「私の免疫細胞は、ガン細胞に打ち勝つと思います。ご心配は無用です」

 これまで、何人ものがん患者のセラピーをやってきたらしい、その看護師さんは、何も言うことが無いと悟ったのか、ただただ私の解説を聞いているだけでした。
 これまでやってきたことが、ほんとうにこれでよかったのか、振り返る機会になってもらえれば、と思って、私は話し続けたのかもしません。
 いや、そんな他人のことなぞかまっていられません。
 私はこうして平和な世界で暮らしていますが、私の体の中は、まさにいま戦場となっているのです。
 なぐさめや はげましなぞ いりません。
 私と私の体の中の免疫細胞たちの邪魔をしないでほしいだけです。
 (Written by TANAKA Takeshi, April 29, 2019)

 参照資料

[3] CA19-9 CRCグループ → シー・アール・シー → よくある検査のご質問
質問 (空欄) 回答
 CA19-9はヒトの膵管、胆管、胆嚢、唾液腺、気管支腺、前立腺、胃、大腸、子宮内膜に局在し、これらの癌化により大量に産生されます。
 特に、膵癌、胆管癌、胆嚢癌で80〜90%、胃癌、大腸癌で30〜50%の陽性率を示し、消化器系癌の腫瘍マーカーとして最も多く利用されています。ただし、早期癌での陽性率は低くスクリーニングには不適で、治療再発のモニターとして有用です。
 一方、胆嚢ポリープや胆石では基準値内ですが、胆管炎を併発した場合や急性・慢性膵炎、胃炎、急性・慢性肝炎、肝硬変などの良性疾患でも100U/mLを超える異常高値となることがあり、臨床所見などもふまえて総合的に判読します。
 消化器系以外では肺癌や卵巣癌、子宮体部癌で陽性となり、子宮内膜症や卵巣嚢腫などの良性婦人科疾患、気管支炎、気管支嚢胞、肺結核などの良性呼吸器疾患でも上昇します。また、10〜20代の女性や妊婦、糖尿病でも軽度上昇することがあります。
 さらに、慢性胃炎治療薬の「スクラルファート」を内服している患者や溶連菌感染症で一過性の異常高値を示すことが知られています。
 ところで、CA19-9は血液型抗原の1種であるルイスAにシアル酸が付加した糖鎖抗原であるため、日本人の約10%に存在するルイス式血液型陰性者では癌化によっても上昇しない偽陰性を示します。

[5] 「免疫革命」(安保徹・著、講談社インターナショナル・刊、2003-7-11) 第二章「転移はガンが治るサイン」
 免疫力が上がってガンが痛めつけられたとき、一時的に腫瘍マーカーが上昇するという現象が起こることも知っておくとよいでしょう。(p124)

[6] 同 第二章「転移はガンが治るサイン」
 …つまり転移というのは、どんどんガンが悪化するというよりも、原発巣がリンパ球によって攻撃され悲鳴をあげ、生き延びるために散らばっている状態なのです。…(中略)…転移は怖くありません。ガンが治るサインです。(pp123-124)

 

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