c11 肝臓マーカー T-BIL, AST, ALT, LDH, ALP, γ-GTPと
炎症マーカーCRP定量

田中 毅(TANAKA Takeshi @ 9621 ANALYSIS)

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 はじめに

 このページの内容は、他のページに比べ、かなりむつかしいものとなっています。
 1回目と2回目の血液検査の結果を見比べると、どのようなことが分かるかということを分析して、詳しく説明しています。 

 2回の血液検査での肝臓の指標とCRP定量

 2018年12月27日(1回目)と2019年3月27日(2回目)の、大きな病院で採血されて調べられた血液検査の、検査結果報告書の表のいずれにも、担当医は黒のボールペンで縦に長い右丸カッコと肝のひと文字を書いておきながら、その値の意味については何も説明しませんでした。
 これらの値にも重要な情報が潜んでいます。
 これらの値を1回目と2回目とで比較すると、値の変化が一様ではありません。
 基準値からもっと遠ざかっているものと、基準値の中に納まろうとしているとしているものとがあるのです。このような区別がなぜ起こるのかということが問題となります。
 それと、今回の担当医は何も指摘せず説明もしなかったのですが、3年前に若い担当者から詳しく指摘されたCRP定量の値が、1回目と2回目とで、大きく変化しています。これは、見落としてはいけない指標です。
 T-BILからγ-GTPまでを、正式にそう呼ぶかは知りませんが、ここでは肝臓マーカーと呼び、CRP定量を炎症マーカーと呼ぶことにします。それと、胆のうガンについての腫瘍マーカーのCEAとCA19-9について、1回目と2回目の値を次の表1としてまとめます。
 「変化」で▽は値が減少してよくなったこと、▲は値が増加して悪くなったこと、〇は値の上下によらず基準値の範囲に入ったことを、それぞれ意味します。

表1 肝臓マーカー、炎症マーカー、腫瘍マーカーの変化



 肝臓マーカーの2グループ

 これらの9つのマーカーについて、ネットで調べたものを、下の参照資料にまとめてありますが、そこから、今回の私の症状に深く関係する部分(参照資料では赤文字)を、次の表2として整理します。
 「意味」の列の最後に表1の「変化」を記号で添えました。
 これまでは、異常な値となっている腫瘍マーカーのCA19-9に注目してきました。まあ、1回目の1299.6といい、2回目の2267.0といい、いずれも信じがたい値なのでしょう。
 炎症マーカーについては、後から考察しますが、ここで気づいたのは、肝臓マーカーの値が1回目と2回目とで、いずれも増えている(▲)のではなく、基準値内やそれに近づいて減少した正常グループ(〇, ▽)と、明らかに増加している(▲)異常グループとに分かれていることです。
 正常グループは、T-BIL(総ビリルビン)[1], AST[2], ALT[3]の3つです。
 異常グループは、LDH(乳酸脱水素酵素)[4], ALP(アルカリフォスターゼ)[5], γ-GTP[6]のやはり3つです。

表2 肝臓マーカー、炎症マーカー、腫瘍マーカーの意味



 正常グループの値が2回目には基準値へと収束しているのです。これは、肝臓の障害がなくなったと判断できる変化です。画像はまだお見せしていませんが、町の内科医の先生がエコーで撮影した写真や、CTスキャン画像に色付けしたものなどから、肝臓のおよそ1/3くらいの面積のパターンが正常な状態を示す一様なものではなく、まだらなもので、その配色も、胆のうのものと同じになっていました。ここから、胆のうのガンが肝臓へ転移していると考えられます。

 胆のうと肝臓のCTスキャン画像

 言葉だけでは想像しにくいことでしょうから、気持ち悪くなるので、私自身見たくないのですが、今回のCTスキャン画像にゴブリンアートで部分的に着色したものを、次に示します。

図1 画像コードs14z
(sは側面side, zはゴブリンアートのモード、14は画像ナンバー)

図2 画像コードs22z

 図1の、右上の白い部分は心臓、三角形の大きな臓器が肝臓、やや赤く色づけてあるのが胆のう、その右上が胃、下の芋虫のようなものがおそらく小腸で、右端の黒い空洞部分が大腸、そんなところでしょうか。
 図2は、もっと複雑です。ゴブリンアイズでもっと大胆に色づけすると、これらも区別出来るようになりますが、ここでは胆のうと肝臓の転移部分だけが赤く色づくようにしてあります。図1での肝臓への転移部分は少なめですが、図2では肝臓のおよそ1/3にも広がっています。
 それにしても、図1の胆のうの巨大さには、あきれかえってしまいます。図2で丸く見えているのが、通常の胆のうの大きさですが、これは胆のうの袋ではなく胆管と思われます。肝臓との境界もはっきりしません。これらの間に、そのような状況をとらえた画像もあります。
 これらは2019年1月10日に撮影されたものです。
 3年前の入院時は3週間に3度、もう1ヶ月加えて4度もCTスキャンの撮影が行われました。
 1回のCTスキャン撮影では、X線撮影の1000〜2000回分の放射線を浴びるということを学び、今回は、次の撮影をしないでいます。3年前は、ほんの2ヶ月くらいの間にX線撮影の4000〜8000回分の放射線を浴びたわけです。胆のうの細胞が、食中毒のせいで弱っていたところに、この放射線量なのですから、ガン化してもおかしくありません。
 もし、今回の治療が進んで、じゅうぶん時間が経過したときには、もう一度CTスキャンを撮影してもらうかもしれませんが、こんな危険なことを、あえてする必要はないかもしません。
 肝臓の異常なまだらパターンが消えているかどうかは、安全なエコー(超音波検査)で撮影することができます。そっちにするかもしれません。

 炎症マーカー

 表1でとりあげた、炎症マーカーのCRP(C反応性蛋白)定量の値が1回目は1.38であったものが、2回目に12.34と跳ね上がっています。1回目の正月前後のころ、この部分はすでにガンとなって2年の歴史があります。1回目のときガン宣告されて、それからガンが育ったわけではないはずです。すでにガンであるにもかかわらず、CRP定量の値は、かつて待ち望んでいた0.3以下ではありませんが、1.38なら、たいした炎症反応でもありません。ところが、2回目の12.34という値は、3年前の入院6日目あたりに相当します。
 2回目では、1回目に比べ、体内で炎症反応や組織の破壊が、より激しく起きているのです。
 このとき、同時に2回目の時点では、肝臓部分がほぼ異常なしと示されています。
 これらのことから、このとき、免疫細胞による肝臓の修復はほぼ終え、胆のうのガンに総攻撃をかけて、炎症を生じさせ、破壊活動を続けていたと考えられます。
 身体の中を覗いて見たわけではありませんが、胆のう部分の膨らみが突然なくなり、そのあと、おなかの中の下の方で小さな痛みが歩くたびに生じるという症状を体験してきました。そして、何日かすると、その痛みが消え、あろうことか、胆のうの部分が膨らみ始めるのです。
 長い周期でこれを4回繰り返してきました。
 胆のうの組織を破壊するリンパ球の活動を援助する方法があるということも分かってきました。これについては、あらためて説明しようと思います。

 肝臓マーカーの異常グループ

 肝臓マーカーの異常グループの3つの値が1回目に比べ2回目で増えています。これらの意味について考えます。
 LDH(乳酸脱水素酵素)悪性腫瘍がリンパ球の攻撃をうけ、はっきりと姿を現したことを示しています。
 ALP(アルカリフォスターゼ)胆汁のうっ滞を示していると考えられます。おそらく、通常の状態ではありえないほど、胆汁はたまったままであることでしょう。外から腹のみぞおちあたりを触るだけで、このことは分かります。
 γ-GTP 胆管の細胞が壊れていることを示しています。
 これらの値が飛びぬけて大きくなっていることは、いままさに、リンパ球と胆のうのがん細胞との闘いが激しくなっているということを意味していると考えられます。
 値の大きさだけで不安を感じる必要はないと思います。
 逆に、このような値が変化しないで、ある一定の大きさを保ち続けているということの方が、恐れるべきことです。
 それは、ガン細胞が安定して成長していることを意味するからです。
 1回目のまえに、0回目もしくは-1回目の血液検査をやっていたとしたら、そのようになっていたかもしれません。
 (Written by TANAKA Takeshi, April 29, 2019)

 まとめ

 このページでの分析の結果、1回目の血液検査の時点に対して、2回目の血液検査の時点での、全体的な変化として、次の2点が認められます。

 (1) 肝臓マーカーのT-BIL, AST, ALTより、肝臓の機能が正常な状態となっている。
 (2) 肝臓マーカーのγ-GTPと炎症マーカーのCRP定量から、胆のうにおいて細胞の破壊が進んでいる。

 これらのことから、免疫細胞によるがん治療のプロセスが、効果的に進行中だと判断できます。
 (Written by TANAKA Takeshi, May 2, 2019)

 追加

 2019年1月10日にCTスキャンされ、2019年1月16日にCDとして購入した画像をビットマップに変換後、ゴブリンアートで部分着色(s10zの正式コードはs10[2]_FZ_A(96-112)Qwkなので、フリーゾーンで濃淡値96-112の間だけA色のQwkモードで変換)したものを、原画像の面積1/2としたものをお見せします。次の図3は、それらを集めたものですが、これはただのガイド画像です。

図3 2019年1月10日の腹部側面CTスキャン画像(ゴブリンアートで部分着色)
(画像をクリック → 拡大ページへ → 連続拡大ページへ)

 参照資料

[1] T-BIL(総ビリルビン)
 この検査で疑われる病気/高値:肝炎、閉塞性黄疸、胆石症 等
 赤血球中に含まれるヘモグロビンの分解産物で、胆汁に排出される色素です。
 間接ビリルビンと直接ビリルビンがあり、合わせて総ビリルビンと呼びます。
 肝臓や胆のう・胆道に異常があると、ビリルビンが血液中に増え、黄疸が現れます。

[2] AST
 AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)は酵素の一種で、心臓の筋肉や骨格筋、肝臓に多く含まれています。
 心臓や肝臓などの臓器になんらかの障害があると、血液中にASTが漏れ出してきます。
 ASTは、血液中のASTの量により、主に肝臓や心臓にどの程度の障害が起きているかを知ることができます。
 ASTの数値が高い場合、ALTや総ビリルビンなど、他の検査値も考慮して判断します。

[3] ALT
 ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)は、前ページのAST同様酵素の一種です。
 ASTが心臓の筋肉や骨格筋、肝臓に多く含まれているのに対し、ALTは肝臓に一番多く含まれており、肝臓になんらかの異常があって細胞が壊れ過ぎていると、血液中にALTが漏れ出してきます。
 従ってALTで異常が認められた場合は、まず肝臓に問題があると考えられます。
 この場合もASTや総ビリルビン、アルカリフォスファターゼなど、他の検査値も考慮して診断します。
 ALTは、AST以上に肝臓の異常に敏感です。基準値より高い場合は、急性肝炎、慢性肝炎、アルコール性肝障害、薬剤性肝障害、肝硬変、脂肪肝などの疑いがあります。

[4] LDH(乳酸脱水素酵素)
 乳酸脱水素酵素(にゅうさんだっすいそこうそ、英: lactate dehydrogenase; LDH)は、ほぼ全ての生物に存在する酵素である。
 血中濃度の上昇はAST、ALTなどとともに肝障害を示唆する。
 ただ、それ以外の面では心筋梗塞、溶血、感染症などでも上昇がみられ非常に非特異的であるため診断の参考としての有用性はあまり高くない。
 ただし、単独で上昇しているとしたら悪性リンパ腫をはじめとした悪性腫瘍がかくれている可能性を考えるべきである。

[5] ALP(アルカリフォスターゼ)
 アルカリフォスファターゼ(Alkaline Phosphatase、略号:ALP;EC 3.1.3.1)はアルカリ性条件下でリン酸エステル化合物を加水分解する酵素である。
 ALP異常値の場合、多くは肝障害が疑われる。
 特にASTやALTの上昇があまり見られないにもかかわらずALP値が上昇している場合には胆汁のうっ滞の可能性が高く、黄疸などを発症する場合が多い。
 また、肝臓や骨に癌がある場合もALPは上昇する。

[6] γ-GTP
 γ-GTP(γグルタミルトランスペプチダーゼ)は、肝臓の解毒作用に関係している酵素です。
 肝臓や胆管の細胞がこわれると血液中にγ-GTPが血液の中に流れ出てくることから、「逸脱酵素」といわれます。
 そのため、γ-GTPは肝臓や胆管の細胞がこわれたことの指標として利用されています。
 γ-GTPが血液中に多くなっても、それ自体が何か悪い影響をおよぼすことはありません。
 γ-GTPが高くなる疾患には、肝臓の細胞が破壊される肝炎、肝臓に脂肪が蓄積する脂肪肝などがあり、胆石や胆道がんなどで胆道がつまった場合にも高くなります。

[7] CRP(C反応性蛋白)定量
 C反応性蛋白(-はんのうせいたんぱく、英: C-reactive protein)は、体内で炎症反応や組織の破壊が起きているときに血中に現れるタンパク質。
 肺炎球菌のC多糖体と結合するためこの名がある。CRPと略称される。
 C反応性蛋白は細菌の凝集に関与し、補体の古典的経路を活性化する作用を有する。
 基準値 正常範囲 0.3 mg/dl以下
 高値を示す疾患/感染症(細菌性・一部のウイルス性など)
 自己免疫疾患(関節リウマチ,リウマチ性多発筋痛症,成人発症Still病など)
 悪性腫瘍

[8] CEA
 CEAは癌の存在を示唆する腫瘍マーカーの一つです。
 癌が発生すると、特殊な蛋白質、酵素、ホルモンなどを作り出します。
 CEAは胎児の早期の受精卵細胞と共通する物質で、この数値が高くなる場合、大腸癌、肺癌などの消化器系の癌の可能性が考えられます。
 ただ、個人差が大きく、すべての癌患者で異常が見つかるわけではありません。
 早期発見には不向きですが、病気の進行の程度によって数値が上がるので、癌の経過を見る場合や再発、転移の可能性を見る場合などに有効な検査です。

[9] CA19-9
 膵がん、胆嚢・胆管がんで特に高値を示しますが、胃、唾液腺、気管支、前立腺、結腸、直腸、子宮内膜のがんでも高値を示します。
 がん以外の疾患では急性・慢性膵炎、慢性肝炎、肝硬変などで高値を示すことがあります。
  

 

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