c35 胆のうガンとの闘い (13) 2019年6月19日〜(前半)

田中 毅(TANAKA Takeshi @ 9621 ANALYSIS)

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 はじめに

 私がガンと闘うためにどのようなことをしてきているのかを、まとめます。
 今、これを書き記そうとしているのは7月16日で、書き終えたのが23日です。
 ほぼ1か月近く、このシリーズの制作をストップしてしまいました。
 何も書くことが無いと思っていたのは、7月のさいしょの週の途中までで、そのあと急に、胆のうガンの状態が悪化して、こんな創作活動のようなものに取り組むことができなくなったのです。
 今回のページ構成では、これまでの細かな描写はやめることとし、おおまかなあらすじを記すことにします。

 玄米食を復活した

 5月末の血液検査で、糖尿病については、ほぼ治ったと、担当医からお墨付けをもらいました。
 残るは、メインの胆のうガンのみです。
 ここで私は、これまでの方針に加え、6月のはじめごろから、玄米食を復活することにしました。
 単なる玄米食ではなく、玄米を洗って水を切り、中華鍋で乾煎りしてから、圧力釜で炊くというものです。
 玄米を乾煎りしてから炊くと、皮のところから、ガンを抑え込む物質がでるからです。乾煎りしないで炊いても、それは出てきません。
 ガンと闘うための「兵器」を、さらに加えようとしたのです。
 一度に炊くのは5合ですが、炊きあがった玄米の荒熱をとって、小さな味噌汁椀に詰め込み、まな板の上に広げたラップへ、その中身を落とし、くるんで保存します。
 小さなおにぎりのようなものです。
 一日にほぼ1個としていたのですが、炊き立てが、あまりに美味しそうなので、もっと食べたこともあります。
 5月末まで、完全なケトン食の体系を守っていたのですが、少し後退させてしまったことになります。

 乾煎り玄米のプラス効果とマイナス効果

 6月の後半になって、腹部の膨らみが、全体的に広いドーム状になってきているのに気づきました。
 玄米を食べることによる、ガンと闘う意味での、プラス効果とマイナス効果の、全体的な評価を誤ってしまったようです。
 プラス効果というのは、上記の、玄米を乾煎りすることによって出てくる、ガンを責める成分によるものです。
 マイナス効果というのは、玄米も皮の内部はデンプンの塊なので、消化されて、ブドウ糖になってしまうことです。
 玄米を下手に炊くだけだと、皮がそのまま残って、何度も噛まないと、内部のデンプンを消化することができず、翌日の排便を観察すると、ほぼ米粒のまま出てゆくことが多いのです。
 しかし、上手に乾煎りすると、強固な皮を弱めることとなり、それを炊くと、ほとんど白米を食べるときの柔らかさになるようです。
 ときどき、乾煎りして炊いた玄米のおにぎりを、知人や近所の人におすそ分けすると、これまで玄米に抱いていたイメージが覆され、白米と同じように柔らかいし、コクがあって、とてもおいしいと喜ばれます。
 ブドウ糖だけをエネルギー源とするガン細胞に、助け船を出しているようなものでした。
 せっかく、ケトン食で兵糧責めにしていたはずなのに。

 胆のうガンと胃袋

 腹部の様子は、まるで初期の妊婦さんのように、丸く跳び出しています。
 男性でも、これくらい、お腹が出ている人もいますが、男性の場合、表皮と腹の筋肉の間にたまった皮下脂肪です。無理をすれば、バンドで絞めることもできます。
 私の場合は、まったく違って、腹の筋肉の下で膨らんでいるのです。ちょうど、もっと深いところで子宮が大きくなる妊婦さんの状況と似ていますが、妊婦さんの場合、ホルモンの関係で、腹筋が緩くなってゆくそうです。
 ところが、私の腹筋はゆるくなってくれません。
 腹筋の下で大きくなった胆のうは、腹部を圧迫して、そのため、胃袋が自由に膨らめなくなってゆきました。

 半断食

 これまでのような量で食事がとれなくなったのと、炭水化物を摂ると、消化されて、ブドウ糖になってしまい、ガン細胞をさらに増殖させてしまうので、私は、これなら、食事を摂らないほうがましだと、食事をまったく抜いてしまうとか、わずかな量の果物だけですませるようにしました。
 初めのころ、胃袋も楽だし、1日だけでなく、このまま少し続けてゆこうと考えました。
 ガン細胞を兵糧攻めにするという目的は、ある程度できていたと思います。
 ところが、正常細胞のエネルギー源として、すでに脂肪はほとんどなかったため、筋肉がどんどん使われ、私はやせ細ってゆきました。
 ある日、風呂屋(椿の湯)に行って、脱衣場で裸になって、その姿を鏡で見て、驚きました。
 ほんとうに、ガス室送りの人間か、ミイラになる寸前の修行者の彫刻のようなものだと感じました。
 体重はとうとう70キログラムを割ってしまっています。お腹が膨れて重い分を引くと、65キログラムくらいの体かもしれません。
 ガンで入院して、どんどんやせ細ってしまう人のことが思い浮かびました。
 半断食を続けようと、およそ10日ほども、こんなことをやってしまっていたのです。
 体を動かすときのエネルギーがなくなってきて、起き上がろうとするとき、両手を畳についたまま、静かに呼吸を繰り返し、ほんとうはこのままじっとしていたいのだけれど、やらなければならないことがあるから、次にこうして、あそこへ行ってと、まるでスポーツ選手のイメージトーニングのようなことを、頭の中で反復しないと、動くことができなくなりました。
 ある日、そうして動いて準備した、洗濯物を干そうとして、しゃがんでいた状態から、パンツをもって、立ち上がり、手を上に伸ばして、物干しの洗濯ばさみに手をかけたとき、両方の目の視界が急に暗くなりました。
 立ち眩みです。
 貧血による立ち眩みというやつだと気づきました。
 ガン細胞にエネルギーをやらないようにしようとすると、ブドウ糖しか利用できない赤血球も減ってゆくから…
 このあと、意識を失って倒れてしまうことは、なんとか避けましたが、何度も呼吸を繰り返し、やっとパンツを干し終えた後、私は離れの部屋のベッドへたどり着いて、横になりました。
 このまま動けなくなってしまったら、死んでしまうかもしれないと、ふと思いました。
 一人暮らしで、誰にも助けてもらえない。
 私は、体にエネルギーがたまってゆくまで、ベッドで横たわっていました。
 (Written by TANAKA Takeshi, July 23, 2019)

 参照資料

[1] 「がん」では死なない「ガン患者」、東口高志・著、光文社新書818, 2016-5-20初版
[2] 「がんが自然に治る生き方」、ケリー・ターナー・著、長田美穂・訳、プレジデント社・刊、2014-11-23初版
[3] 「免疫革命」、(元新潟大学大学院 医学部教授)安保徹・著、講談社インターナショナル・刊、2003-7-11初版
[5] 「炭水化物が人類を滅ぼす」糖質制限からみた生命の科学、夏井睦(なついまこと)・著、光文社新書663、2013-10-20初版
[7] 「ケトン体が人類を救う」糖質制限でなぜ健康になるのか、宗田哲男(むろたてつお)・著、光文社新書786、2015-11-20初版
[11] 免疫栄養ケトン食で がんに勝つレシピ、管理栄養士 麻生れいみ・著、医学博士 古川健司・監修、光文社・刊、2017-8-20初版
[12] 「がんの嫌がる食事」、丁宗鐵(ていむねてつ)・著、三省堂書店・刊、2013-12-25初版
[14] 「ケトン食ががんを消す」古川健司・著、光文社新書847、2016-10-20初版
[15] 「炭水化物が人類を滅ぼす 【最終解答編】 植物VS.ヒトの全人類史」 夏井睦・著、光文社新書911、2017-10-20初版
[16] 「免疫力を自分で上げる本」、主婦の友社・編、株式会社主婦の友社・刊、2018-12-20発行
[17] 「薬を捨てる 糖尿病を治す」、栗原 毅・著、廣済堂出版・刊、2018-11-12初版
[18] 「薬剤師は抗がん剤を使わない」、宇多川久美子・著、廣済堂出版・刊、2017-1-25初版
[19] 「糖質過剰」症候群 あらゆる病に共通する原因、清水奉行・著、光文社新書1007、2019-5-30初版
[20] うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった、藤川徳美・著、光文社新書893、2017-7-20初版
[21] BLUE BACKS 「お茶の科学」、大森正司・著、講談社・刊、2017-5-20初版

 

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