クレオパトラ・タ・タルク

クレオパトラ・タ・タルク クレオパトラとは、美しくなりますようにと願ってつけられるメスシナモンの呼称。それゆえ、この名前は美の基準として評価されにくい。なぜなら、願いをこめて名づけられている時点の、赤シナモン(誕生後の幼シナモン)の顔は、形成途上であり、シナモンというよりは、ピグモンに近いからである。しかし、この名をもったという誇りのようなものが、その後のシナモンの成長から羽化にかけての変化を刺激し、それなりの美貌を獲得すことも(稀に)ある。これを、シナモン名におけるプラシーボ効果と呼ぶ。タ・タルクの、タは冠詞の一種で、「大量の」という意味をかんむり化(つけ加える)する言葉である。タルクは水酸化マグネシウムとケイ酸塩からなる鉱物で、真珠のような光沢をもっている。岩石となったタルクの中には、熱変成の過程で高品位の金を含むようになったものもある。ところで、シナモンのタ・タルクのことであるが、クレオパトラ・タ・タルクは中堅の宝石磨き。中堅といっても、最高齢のメスシナモンであるドロシーの年齢が、不確かなうえ、異常なほどの高齢であるため、メスシナモンの年齢配置に関しては、常用の目盛ではなく対数目盛を用いるので、中堅というのは、ほぼ常識的な数位置を占めている。クレオパトラの名を持っているだけあって、統治統率能力に非凡な才能をもっている。

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黒月樹人(treeman9621.com)「天国にいちばん近い町」より