コーネリアスの思考言語

黒月樹人 (KULOTSUKI Kinohito)

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「思考言語って、何のこと?」

と、ぼくがたずねると、コーネリアスの回路にあるスイッチか何かが入ってしまったらしく、えんえんと思考言語のことを語られてしまった。それを、コーネリアスのアクセントをなぞりながら説明するのは不可能だ。覚えていることを、かんたんにまとめると、このようなことだったかと思う。

 思考というのは雲のようなもので、フラクタルな構造をもっていて、対象とするイメージを雲に投射したとき、別の雲が、別の対象のイメージをもってきて、その間に、それらのイメージとイメージの関係を表現するイナビカリが発生して、ふたつの雲をくっつけてしまうのだそうだ。このとき、雲は線形につながる必要はどこにもなくて、高層のイワシ雲や、低空の雨雲、あるいは、地表をなめまわしている霧とかの間に、関係語というイナビカリがつながるから、ほんらいの思考をちゅうじつに表現しようとしたら、必然的に、非線形の思考言語が発生して進化するという。

こんな感じだったかな。でも、いったい、何のことか、誰か分かる? かんたんじゃないね。コーネリアスのひげもじゃの顔と頭の中には、いったい何が詰まっているんだろう。コーネリアスは、画鋲かな、って言ってたけど、きっと嘘だろうな。

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