ユーカラ病

黒月樹人 (KULOTSUKI Kinohito)

 最近の学説によると、これは病気の中に含めないという立場もあるらしい。賛成である。通常のシナモンとほぼ変わらないユーウツ病のような時期があるものの、何らかのきっかけで、カラカイ病によく似た状態へと変化すると、恋人がいないとしても、まるで誰かに、あるいは何かに恋をしているような、幸福な状態になるという。このような状態を治療する必要があるのだろうか。病気の一種なのだから、治療すべきだと頑固に主張するシナモンを観察すると、どうやら、そいつは、通常の状態でユーウツ病であり、何かのきっかけで、(カラカイ病へと変化するのではなく)パラノイア症のほうへと変化するタイプのようだ。そのことに、そいつは、まったく気づいていない。こちらのほうこそ治療が必要だと思えるのだが。

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黒月樹人(treeman9621.com)「天国にいちばん近い町」より