黒月樹人闘病記(o20)グルテンフリーではなくグルテンアウト

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito 本名◇田中 毅 @黒月解析研究所)

黒月樹人闘病記ブランチページへもどる

 グルテンフリーは死語になってきた

 「グルテンフリー」という言葉を知ったのは、「長生きしたけりゃ パンは食べるな」[1] を読んだからです。
 著者のフォーブス 弥生さんは、「グルテンフリー協会」というものを立ち上げたとか。
 このことにケチをつけたいわけではありませんが、その後、「いつものパン」があなたを殺す [2] や、小麦は食べるな! [3] を読むと、これらの著者たちが、こぞって、「グルテンフリー食品には注意するように」と述べているのです。
 それはどのようなことかというと、小麦は食べるな! [3] の原著であるWHEAT BELLY(小麦腹)は、アメリカとカナダで130万部も売られているベストセラーで、こうなると、もう、社会現象として、これらの国々では、あまねく知られるようになっており、そこで、食品業界においても、これを利用しようと、「コーンスターチや米でんぷん、バレイショでんぷん/片栗粉、タピオカでんぷん」([3] p261)などが「グルテンフリー食品」と名づけられて市販されているらしいのです。
 ところが、小麦は食べるな! [3] の著者は、これらを「めったに、もしくは絶対に食べないでほしい食品」として分類しています。
 これはちょときびしいなあ、と私は思ってしまいますが、このことはあとまわしにして、ここでの問題点は、「グルテンフリー」という言葉が「一人歩き」して、グルテンがもたらす害について啓蒙している著者らの意図に反する意味で使われだしているということです。

 グルテンフリーのフリーの意味は?

 グルテンフリーを英語で記すとgluten free ですか。
 今ちょっと手違いがあって、YAHOO!JAPAN翻訳で、この言葉の意味を確認しようとしたら、このページのアルゴリズムが、この言葉(はじめ Gruten free と入力していた)を勝手に「ドイツ語」と判断して、日本語訳を「自由な輝き」としました。おおぉ、そうだったのか、と私は変に感動してしまい、あらためて「英語」と指定すると、「遊離したグルテン」となりました。違うじゃん。
 英和辞典(フェイバリット英和辞典)でfreeを調べてみると、形容詞として、次の9つの意味があります。
 @自由な、A自由に…できる、B無料の、C暇な、D(形式・しきたり・規則などに)とらわれない、E(…を)出し惜しみしない、F(道路・場所などが)自由に通れる、Gゆるい、固定されていない、離れた、つながっていない(これか!)、Hなれなれしい
 8番目ではありませんか。ここの「離れた」というのが、いちばんあてはまる意味のようです。
 これに関することをメル友のKさんに愚痴ったところ、彼は「グルテンレス」という言葉を提案してきました。
 このときのレスは接尾辞としての less ですが、この意味は、@名詞について「…のない」、ということです。こっちのほうが「当たり」だったようです。
 しかし、このような意味で、アメリカ人の著者たちが「グルテンフリー(gluten free)」のほうを使ってきたのです。いまさら glutenless には替えられないことでしょう。

 グルテンアウトはどうでしょうか

 私の頭の中で言葉が飛び回り、フォークダンスを始めました。
 そして、「グルテン」のパートナーとして、「アウト」がやってきたとき、流れていた曲が止まりました。
 「アウト(out)」か、どっちが男でどっちが女かは分かりませんが、これはなかなかいいカップルのように思えます。
 私たち日本人が、とくに、私のような世代の男たちには、アウトは野球のアウトにつながります。「アウト」は「失格」だと連想されます。
 英和辞典(フェイバリット英和辞典)で out を調べてみると、副詞として、次の8つがあります。
 @外に、離れて、A出て、B大声で、Cすっかり、最後まで、Dなくなって、Eはずれて、F(仕事・政権などを)離れて、休んで、失職して、ストライキ中で、G(野球)アウトになって
 私が一番目に連想した、野球のアウトはGでしたが、グルテンに引き合わせる意味としては、Bの「大声で」以外は、まさに、どれをとってもあてはまります。「グルテン(を身体の中に取り込む作業)のストライキ」というのが、いちばんインパクトがあるかもしれません。
 私はKさんへのメールの中で、この「グルテンアウト」に、次のような意味を「定義」したいと記しました。

 「グルテンフリー」とは、「グルテンをまったく摂らない」「グルテンからは完全に距離を置いている」といった、かなり厳格な姿勢についての言葉のように思えます。
 う〜む、私が思いついた「グルテンアウト」は、これも造語なので、これを提案するときに、この言葉についての「定義」をつけることができます。
 私としては、グルテンを摂るか摂らないかにはとらわれず、とりあえず、グルテンを(私たちの身体と精神の健康にとって)悪いものである、という意識を持っているということを示すものとしたいと思うわけです。

 定義としては、こうです。

 グルテンアウト グルテンは、身体と精神の健康にとって悪いものである、という意識

 ここから転じて、「グルテンを排除しよう」という意識にもつながる、とおぎなえば、かんぺきな辞書の文章になるかもしれません。
 2017年の流行語大賞にノミネートされると、いいな。
 その前に、「グルテンフリー」がくるかも。
 「長生きしたけりゃ パンは食べるな」[1] は、じわりじわりと、本屋で平積みされるようになってきました。きっとこれはベストセラーになります。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, January 12, 2016)

 参照資料

[1] 「長生きしたけりゃ パンは食べるな」、フォーブス 弥生(著)、稲島 司(監修)、SBクリエイティブ株式会社(刊)2016-11-15
[2] 「いつものパン」があなたを殺す、原題Grain Brain(穀物脳)、デイビッド・パールマター&クリスティン・ロバーグ(著)、白澤卓二(訳)、三笠書房(刊)2015年1月
[3] 小麦は食べるな! 原題WHEAT BELLY(小麦腹)、Dr. ウイリアム・デイビス(著)、白澤卓二(訳)、日本文芸社(刊)2013-7-10

 

黒月樹人闘病記ブランチページへもどる